──お二人が一緒にお仕事されるのは、『ワンダフルライフ』(98)『DISTANCE』(01)に続き今回で3度目ということですが、お互いの魅力について教えてください。
ARATA:是枝監督の現場に最初に参加させてもらったのは10年前になりますが(注:『ワンダフルライフ』で主演)、今回、この作品に参加して、監督の進化をすごく感じました。現場での存在感の大きさというか……。新たなステージに立っていると感じました。
是枝:もったいない(笑)。ARATA君は、僕の作品ではいつも、クールだったり空虚だったり物静かだったりする役が多いんですけど、こう見えて実際は熱い男なんですよ。
ARATA:メラメラしてます(笑)。
是枝:そんな役柄と実際とのギャップも面白いのですが、次は、(彼に)今までとは違うタイプの役を書いてみようかと思っています。ずっと一緒でべったりというのは気持ち悪いので(笑)、時折ARATAくんと仕事ができたらと思っています。お互いに、ある種の緊張感を持ちながら、成長を確かめ合える相手として(笑)。
──プライベートでも会ったりするんですか?
ARATA:時々、食事をしたりしますね。
是枝:ARATA君は、プライベートではすごくアクティブなんです。皆既日食を見に行ったり、山に行ったり海に行ったり。格闘技も見に行くしね。僕は全部をテレビですますので、ARATA君が直接行動しているのを目の当たりにすると、いかに自分がアクティブでない暮らしをしているかに気づかされる……いかんですね(笑)。
──お二人とも、とても映画に愛を持っていると感じるのですが、具体的に、映画にどんな思いを抱いているか語っていただけるでしょうか。
ARATA:「映画の現場は、何時間待たされても待っていられる」という(共演した)寺島進さんの言葉にすごく共感したんですけど、待てば待つほど、いい映像、いいシチュエーションになっていくのが見えるな、と。時間を惜しまずに作るというこだわりが、とても気持ちよくて楽しい。スピード勝負ではなく、参加している人たちの愛情のかけ方や作り込み方を見ていて、映画の現場っていいな、と思いますね。