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労働者派遣法:改正、今国会断念 政府・与党、審議時間確保できず

 政府・与党は10日、労働者派遣法改正案の今国会成立を断念する方針を固めた。製造業への派遣を原則禁止することに対する野党の反対が根強いうえ、10年度補正予算案の十分な審議時間が確保できないためだ。12月3日が会期末の今国会では、国民年金の保険料をさかのぼって納付できる期間を延長する国民年金法改正案の審議を優先する。

 派遣法改正案は(1)仕事のある時だけ派遣会社と短期契約を結ぶ「登録型派遣」の原則禁止(2)製造業派遣の原則禁止(3)違法派遣にかかわった派遣先企業が労働者を直接雇用したとみなす「みなし雇用制度」導入--が柱。先の通常国会で継続審議となっていた。

 細川律夫厚生労働相は同法案を、来年4月廃止予定の雇用・能力開発機構(能開)の廃止法案とともに「臨時国会の最優先法案」と述べ、成立に強い意欲を示していた。能開廃止は大きな争点もなく、今月中旬に衆院を通過する見通しだ。

 一方、派遣法に関しては野党側との修正協議が不可欠。公明党は、中小企業への配慮から「製造業派遣の原則禁止」に難色を示しており、成立には大幅な修正を要する。

 さらに、円高が続く状況下での規制強化は、企業の海外流出に拍車をかけるとの懸念が野党側に広がり、成立へのハードルは高まっていた。

 派遣法は社民党や連合が成立を求めており、政府は「まったく審議しないわけにはいかない」(厚労省政務三役)ものの、会期内に成立までこぎ着けるのは困難と判断した。来年の通常国会に持ち越しとなりそうだ。

 しかし、通常国会には子ども手当法案や、基礎年金の国庫負担割合を5割に維持する財源確保のための法案、介護保険法改正案など厚労省所管法案が目白押しで、派遣法成立の見通しは立っていない。【山田夢留】

毎日新聞 2010年11月11日 東京朝刊

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