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中国次期国家主席に習近平が内定したのは、民主党の外交オンチのおかげ?

週プレNEWS 11月8日(月)21時51分配信

 10月18日、中国の新華社通信は中央軍事委員会副主席に習近平(しゅう・きんぺい)が就任したと伝えた。これは同時に、次期国家主席に内定したことを意味する。

「尖閣ビデオ」流出により、今まで以上に緊張が高まると思われる日中関係。中国の次期最高権力者が誰になるかは、日本の国益を左右する重要な問題だ。
しかし、習近平が対日強硬派か、穏健派かという点すら日本ではよく知られていない。

「習近平は強硬派でも穏健派でもありません。つまり、バランスのとれた中途半端な政治家です」と語るのは、上海在住の中国人で貿易会社を経営する馬氏(41歳)だ。
父親や兄弟に共産党幹部を持つ馬氏は、「習近平のような政治家は、中国では民衆に支持されるタイプではない」と言う。

「彼と最後まで次期国家主席の座を争っていたのが、軍や公安から強く支持されている薄熙来(はく・きらい)という元大連市長。薄熙来は日本でいう石原慎太郎のような、非常に強行的な考え方を持つ人物です。中国人にとって、政治家は強い人が好き。薄熙来は民衆からの支持が大きく、共産党内でも力を付けました」(馬氏)

 では、なぜ習近平が選ばれたのか。馬氏は、「日本の民主党政権が外交オンチだったから」と意外な理由を挙げる。

 そもそも現在の日中間の緊張状態は、尖閣諸島での中国人船長逮捕に端を発する。小泉政権時代に悪化していた日中関係の改善を民主党政権に期待していた中国共産党は、この予想外の行動に大きなショックを受けたそうだ。

 当然、日本政府には“次の一手”があると中国共産党は注視していたのだが、実際には“次の一手”など存在せず、無駄な時間が流れただけに終わってしまった。

 これにより、日本への対応が弱腰だとネット上で非難が巻き起こり、現政権の胡錦濤(こ・きんとう)国家主席、温家宝(おん・かほう)首相の支持率が急降下。結果として、現政権が後押ししていた薄熙来が不利になり、相対的に習近平が浮上したのだとか。

 しかも尖閣諸島問題と同時期に、収監中の劉暁波(りゅう・ぎょうは)がノーベル平和賞を受賞したことで、反政府的な書き込みがネット上にいっそう増加。現政権をより弱い立場に追い込んだ。
こうしたことの背景には、「日本に対して弱腰なのに国民に対して強硬な対応をしたら、たまった不満が爆発する恐れがあったので厳しく取り締まれなかった」と馬氏は語る。

 強硬派の薄熙来が次期国家主席に内定していたら、日本にとって難しい交渉相手になっていたのは間違いない。民主党政権の外交オンチがその危機を回避したとは、皮肉な結果だ。

(取材/菅沼慶)

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最終更新:11月8日(月)21時51分

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