米軍関係者の検挙数増加 9月末で54件 昨年上回る

目立つタクシー内窃盗 県基地対策課 「目に見える対策を」

県警まとめ

2010年10月19日 09時29分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 県内で今年発生した米軍関係者による刑法犯検挙件数が、9月末現在で54件(検挙人員54人)となり、昨年1年間の検挙件数50件(検挙人員50人)をすでに上回っていることが18日、県警のまとめで分かった。前年同期比では16件(同18人)の増加だった。相次ぐ米軍関連事件を受け、在沖米軍は外出禁止令などの対応措置を取っているが、再発防止にはつながっていないのが実情だ。県基地対策課は「目に見える綱紀粛正や教育の徹底などを求めたい」としている。(石底辰野)

 県警の統計によると、今年9月末までの米軍関連事件の検挙の内訳は、窃盗犯や知能犯の増加が目立つ。窃盗犯は23件・21人(前年同期比12件・11人)で、昨年1年間の17件をすでに6件も上回っている。知能犯は4件・4人(同1件・1人)だった。

 凶悪犯の検挙件数は2件と横ばいだったが、検挙人員は3人増の5人だった(いずれも前年同期比)。

 増加している窃盗事案の内容を見ると、特にタクシー内で釣り銭を盗むケースが目に付く。県警によると、米兵とみられる外国人によるタクシー被害件数は今年6月11日現在9件あるという。県警は、米軍絡みの窃盗23件のうち、半数が軍人の家族の犯行だったとして、県警少年課はアメリカンスクールの児童・生徒を対象にした非行・犯罪防止教室を開くなどして対応している。

 一方、米軍関連事件の頻発を受け、在沖米軍は陸海空海兵隊すべての軍人を対象に6月12日から、午前0時以降の基地外のバーやクラブなどへの立ち入り禁止措置を取っている。

 また、空軍兵の飲酒絡みの事件が相次いだため、米空軍嘉手納基地の第18航空団司令官は「反省の期間」として、午後11時から翌午前5時までの間、外出規制と飲酒禁止を9月27日から1週間だけ課した。

 県基地対策課は「米軍も対策措置を講じているが、末端まで行き届いているか疑問だ。目に見える綱紀粛正や教育の徹底、事件・事故の再発防止を求めたい」と話している。

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