日中関係修復で一致 楊外相「デモ自制を」江田前議長と会談

2010年10月19日 13時39分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 【北京共同】中国を訪問している民主党の江田五月前参院議長は19日午前(日本時間同)、楊潔〓外相と北京市内で会談し、中国漁船衝突事件や中国各地で発生した大規模な反日デモによる緊張を受け、互いの政治的意思で関係修復を図ることで一致した。江田氏はデモについて「日本国内にも中国をいら立たせる言論はある。それではいけない」と指摘。外相は「中国国民の国を愛する気持ちは分かるが、それだけではいけない」と国内に向け、デモの自制を求めた。

 デモ発生後に両国の要人が会談するのは初めて。江田氏は民主党内で菅直人首相に近く、今回は事実上、首相の名代としての役割を担っているとみられる。漁船衝突事件を踏まえ、民主党政権として対話のパイプを強化する狙いもある。

 漁船衝突事件の起きた尖閣諸島の領有権をめぐっては、江田氏が「日本の立場は明確だ」と伝達。楊外相は「中国の基本的立場は一切揺らいでいない」と述べ、互いに自国の領土とする従来の主張を繰り返した。

 中国の次期最高指導者になることが事実上確定した習近平国家副主席について、江田氏は祝意を示した。

 双方は、月末にハノイで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)との国際会議の際に行われる方向の日中首脳会談が、今後の両国関係に重要な意味を持つとの認識を共有。江田氏は「ぜひ成功させるべきだ」と強調した。

 江田氏は夜に崔天凱外務次官、翌20日には蔡武文化相と会談する。

 江田氏は日本青少年訪中代表団の団長として18日に北京入り。中日友好協会の宋健会長との会談では、反日デモは遺憾との認識で一致した。21日に帰国する。

※(注=〓は「たけかんむり」に「厂(がんだれ)」でその中に「虎])

« 最新のニュースを読む

写真と動画でみるニュース [一覧する]