サブカテゴリー

PR:

各地の保安官「気持ちわかる」が…「組織に従え」突き放す声

 神戸海上保安部に所属する現職の海上保安官(43)が関与を認めた中国漁船衝突の映像流出事件。全国で海のパトロールにあたる海上保安官たちは“同僚”の告白に対し「組織の決定に従うべきだ」と突き放す声が大半だったが、中には「気持ちは分かる」と同情の声も聞かれた。

 北方領土を抱え、今年1月にはロシア国境警備隊による日本漁船銃撃事件も起きた第1管区海上保安本部(小樽)。

 ある保安署に所属する海上保安官は「われわれ海保は流出を刑事告発した側。公僕であることは忘れてはいけない」と指摘。別の保安署に所属する保安官も「どういう方針であれ、国の決定を守るのが公務員だ」と強調した。

 西日本で勤務するベテランは「組織の人間なんだから、公にしないと決まったものを軽々と出しちゃいけない」としつつも、「気持ちは分かる」と同情を示す。

 「船体の横に穴が開けば、浸水して3分で沈む」。海のプロから見れば、中国漁船による衝突は、即座に沈没しかねない非常に危険な行為だ。

 国民に映像を非公開とした政府決定についても「現場は危険な思いをしている。その状況を伏せられるのは、やっぱりつらいし、やるせない。中国人船長は釈放されてね…」と語った。

 北陸地方の海上保安官は「今回は、国の政策と国民の気持ちとのギャップを感じた。国の外交カードということを抜きにして考えると、個人的には映像を公開すべきだったと思う」と正直に明かす。

 流出の経緯をめぐり、首をひねる人たちも。関与を認めた海上保安官は「USBメモリーに映像を保存した」「海上保安官であれば、いつでも見られる状況にあった」と話しているとされるが、東北地方のある海上保安本部の幹部は「本来USBメモリーを使わせないなど情報管理については、厳しく徹底しているはずなのに…」。第8管区(舞鶴)に所属する保安官は「わたしは見たことがない。どうやってアクセスしたのか分からない」。別の保安本部に所属する保安官も「まさかの展開でショック。職場が疑心暗鬼だ」と不安を明かした。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年11月11日 21:00 ]

関連ニュース

読み込み中..

PR

関連写真

読み込み中..

ニュース

注目オークション


クイックアクセス

スペシャルコンテンツ

このページの先頭に戻る ▲