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これが最後のワナビジネスではない

 自費・共同出版系の大手である新風舎が再生法を申請した

 ここは「あなたの本を出版させてください」といいながら費用の負担を求めるものの、実際にはろくすっぽ刷らず金だけ取っているんじゃないか? といわれているところでは文芸社と並ぶ大手。
 ここを見てくれる人には結構重要なのがライトノベル方面への浸食が激しかったこと。なので正直一安心ではあるんだけど…でも、これが最後というわけではないんだよね。
 言い方は悪いけど、ワナビをターゲットとしたワナビジネスの中では、新風舎は本当に小さな点に過ぎないわけで。
 

ワナビジネスの根は深くて広い



「小説家になりたい」とか「漫画家になりたい」とか、そういう夢を持つことそのものは悪くないんだけど、この世の中にはその夢をターゲットにするビジネスというのが多数存在する。
 わかりやすい例で言えば、いわゆる声優学校なんかがその一つだし、いわゆる「ライトノベル科」もその一つ。
 言い方は悪いけど、ワナビというのはいいターゲットなんだよね。
 
 厄介なのは、まず声優学校みたいに「必要な技能の習得」と重なっている部分があること。もちろん、声優学校へ通ったからといっても確実に声優になれるわけではないしなったらなったで地獄なのだけど、一方でそういった「リスクを取る」人間がいるからこそコンテンツ産業は成り立っている面がある。つまりコンテンツ産業は「死体の上の桜」なんだよね。

 もう一つは、極めて根が「広い」こと。まともに見えるところでも、ここから利益を引き出しているところは非常に多い。
 書店は自費・共同出版系の会社に棚を売っていて、神保町の書泉グランデだと一階のライトノベル平台の脇を奥に行くと新風舎専門の棚がほかとはちょっと違った形でおいてあったりしたんだけど…今はどうなっているのかな?
 アニメイトは商業的においしいところをつまんでいるいい例だし、ライトノベル方面だと声優科とレーベルのコラボレーション企画も実在する
 もちろん、ライトノベル科に絡んでいる人は作者さんの中にもいて、そういう人がどういう意識で作家志望者を見ているかは「五代ゆう&榊一郎の小説指南 」の冒頭部分から伺える。
「こんなすごいやつがいる、でもデビューできない」ではなく「ダメなヤツ」をつるし上げているあたりで作家志望者はアウターカーストだというのがよくわかるし、「ライトノベル作家のつくりかた」あたりとあわせると「かわいがり」にも通じる精神が脈打っているのがわかってとても愉快な気分になれること請け合いです(^^;)

 そして一番困ったことは、未成年をターゲットにしていること。声優科やライトノベル科なんかは「高校生の進路」として宣伝しているし、自費・共同出版系の出版社でも明らかに未成年が引っかかったと思しきケースがある。
 手軽なターゲットとしての子供を落とすことで親を釣るやり方なんだよね、これは。
 将来とかを考えると、「進路」として未成年の段階で手を出すのはリスクが高すぎるわけで、せめて社会人経験三年くらいは入学条件につけとけ、といいたい。

ワナビジネスは滅びない



 まとめると、ワナビジネスというのはコンテンツ産業と絡みついた「解かりやすい暗部」でしかない。つまり、たかが会社一個。そのていどは「点」なんだよね。
 現在、純粋にネット発のコンテンツの量が増大しているけど、それでもこういったものは多分、完全になくなったりはしないのだろう。
 でも監視しておくのは決して無駄じゃないかなと。

 しかしKEIさんの呪いはついに会社まで破壊したか…

― by 狩田英輝 @ 12:42 pm comment Comment [0] ping TrackBack [0]
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