ダイエー創業者の故中内功氏から贈与された自宅の売却代金を申告せず贈与税約2億7000万円を免れたとして、相続税法違反(脱税)罪に問われたプロ野球「福岡ダイエー(現ソフトバンク)ホークス」元オーナーで功氏の次男正被告(51)の公判が13日、さいたま地裁(大熊一之裁判長)であった。被告人質問で正被告はダイエー再建のため自宅の売却を余儀なくされたことを動機に挙げた。地検は懲役1年6月、罰金5000万円を求刑して結審した。
検察側は論告で、功氏が04年ごろ金融機関からダイエーの債務の連帯保証について履行を迫られ、功氏名義だった東京都大田区田園調布の中内被告の自宅も売却を余儀なくされたことを指摘。正被告は「(売却代金を)銀行団から請求される状況に陥れられた。(請求されない)方法を考えた結果、功から(代金への)債権放棄を受けたが、(贈与と見なされ)贈与税が発生し、それを払うのは納得がいかなかった」と述べた。弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。判決は11月11日。【平川昌範】
毎日新聞 2010年10月14日 東京朝刊