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12歳のSOS:桐生小6女児自殺/上 学校の対応、後手に /群馬

毎日新聞 11月10日(水)12時51分配信

 ◇学級崩壊の中で 「いじめの温床」指摘
 いじめを受けていた桐生市立新里東小6年、上村明子さん(12)の自殺を巡り、学校側の対応が後手に回った実態が徐々に明らかになってきた。給食で孤立した10月は学校を欠席しがちになり、自殺の2日前には教諭に、ひとりぼっちで給食を食べる悲しみを涙ながらに訴えていた。明子さんのSOSは、学級崩壊の中でかき消されたのか。背景を追った。
 10月23日。明子さんがカーテンレールにマフラーをかけて首をつったこの日、フィリピン出身の母(41)は1本の電話をかけた。相手は、明子さんをいじめていたとされる複数の児童の一人。受話器に出た相手に、たどたどしい日本語で明子さんが自殺したことを知らせた。母によると、児童は母親と一緒に訪れ釈明した。「自分じゃない。他の児童がいじめていた」
 同小の6年生は2クラス。明子さんが在籍する6年1組が、学級崩壊に陥っていたことは隣の2組に知れ渡っていた。「授業がやばいという話を聞いた」「担任が生徒になめられていた」。複数の児童が証言する。明子さんが悪口を言われたり、無視されるなどのいじめに遭っていることも知られていた。授業中でさえ「うざい」「きもい」などの言葉が飛び交った。
 市教委によると、学級崩壊の兆候は1学期後半から見られるようになった。他クラスなどから応援の教諭を一部授業に投入するなどの対応をとった。しかし、10月に入ると「指導が効かなくなった」(学校関係者)。対応にもがき続ける中、明子さんは命を絶った。
 学校側の調査結果が報告された今月8日の市教委臨時会。前原勝委員は「学級崩壊といういじめの温床があった」と指摘した。藍原京子委員も「学級崩壊の状態にある時に、毎日、毎時間でも複数態勢で授業にあたる必要があったのでは」と厳しい意見を述べた。
 では、学級崩壊にどう対応すればいいか。文部科学省によると、対応は各自治体の判断に委ねられている。群馬県教委の場合、学級崩壊の実態について広範な調査を行ったことはなく、マニュアルも作っていない。各市町村教委や学校が個別に対応しているが、新里東小6年1組の窮状は、市教委に伝わっていなかった。
 一方、隣の埼玉県は「学級崩壊」対応の先進県として知られる。同県教委は99年度から年1回、県内の全公立小学校を対象に「学級がうまく機能しない状況」についてのアンケートを行い、現状を把握。成果を上げた対応策などは校長会などで周知する。05年度に最高112あった崩壊学級は、09年度に60学級に減少したという。また市町村教委が退職した教諭らを非常勤講師として派遣し、クラスの改善を支援する制度もあるという。
 明子さんのクラスをバックアップする体制は十分だったのか。検証が求められる。

11月10日朝刊

最終更新:11月10日(水)18時54分

毎日新聞

 

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