生命保険大手の第一生命保険は4日、契約者に保険金や給付金を支払っていない「不払い」が新たに見つかったことを明らかにした。社内調査により、2007年に金融庁から命じられて一度調べた約429万件の契約の中から、当時見つけた約7万件(計189億円分)以外に、不払い例が出てきた。同社は調べを進め、不払いを確認できた契約者に保険金を支払う方針だ。
不払いの恐れがあると判断した契約者の一部に案内状を郵送し、過去に治療を受けた病院の診断書などの提出を求め、調べたところ確認できた。
(1)病院で治療を受けて保険金を請求した契約者が、過去に別の病院でも治療を受けていた分(2)入院途中に保険金を請求して受け取った契約者が、その後も入院して治療を受けていた分、などを中心に調べているという。
第一生命の不払いをめぐっては昨年以降、複数の職員が「幹部が不払いを隠している。さらに数万件の不払いが存在する可能性がある」と金融庁に内部告発していた。
第一生命は、07年以降、全契約者向けに冊子を送るなどして「不払い」を確認できた例もあるとし、今回新たな不払いが分かったのは「自主的に調査するなど改善を進めてきた結果だ」と主張している。一度調べた中から不払いが見つかったことについては「07年の調査は時間や人員が限られる中で最大限行ったが、確認できなかった」と説明している。(寺西和男)