警視庁のものとみられる国際テロに関する内部文書がインターネットに流出した問題で、流出の翌日に文書が入ったファイルの名前を、何者かがネット上で7回にわたって検索していたことが情報セキュリティー会社の解析でわかりました。この会社では、流出させた人物が、文書がどれだけ広がっているか確認した可能性が高いとみています。
この問題は、警視庁のものとみられる国際テロの捜査などに関する内部文書が、ファイル交換ソフト「ウィニー」を通じてインターネットに流出したものです。「ウィニー」によるトラブルの処理を専門に請け負う、東京・江東区の情報セキュリティー会社が、内部文書が流出した状況について解析したところ、流出の翌日の先月29日に、警視庁公安部の幹部の名前が付けられた文書が入ったファイルを、何者かがネット上で5分から30分おきに7回にわたって検索していたことがわかったということです。「ウィニー」のネットワーク上でファイルを検索すると、そのファイルがどの程度ダウンロードされたかがわかる仕組みになっているということで、この会社では、流出からそれほど時間がたっていない段階で、特殊な方法も使って繰り返し検索していることから、流出させた人物が、文書がどれだけ広がっているか確認した可能性が高いとみています。また、この会社の分析によりますと、流出させた人物はルクセンブルクにあるサーバーコンピューターに直接アクセスし、このサーバーから文書をインターネット上に流していたということです。この問題で警視庁は、何者かが意図的に文書を流出させた疑いがあるとみて調査しています。