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2010-11-10

就活に立ちはだかる人事採用のプロという“バカの壁

人事採用のプロが語る「東大でも落ちる人、田舎出身だから受かる人」

僕個人の経験ですが、書類選考の段階だと法政大学の学生の方が東大生よりも通っていたという事実があります。新卒採用では、なまじ学歴が高くて「俺は大丈夫だ」みたいな人が一番先にはじかれます。いくら頭が良くても東大のような大学の学生であっても、相手をなめた態度や「俺だったら通るにきまってる」という考えというのはエントリーシートをぱっと見ただけでわかるんです。ちまたに「エントリシートの書き方」なんて情報はごろごろ転がっていて就職活動については準備できる環境にあるのに、ちゃんと準備していない人は通りません。

「準備をしていない」というのは、面接で聞かれることをちゃんと想定していないし、エントリーシートも一度書いたら直さないという人のことです。こういった人というのは、就職活動自体を不毛だとか茶番だと思っている人に多いですね。

この発言はある意味お役所の繁文縟礼による既得権のシステム、あるいは「霞が関文学」を象徴している。なぜ官僚が強いかは、この人事担当者にまで染みついたおバカ思考だろう。「エントリシートの書き方」まで“勉強”し、定番の書き方をしないと駄目だと言っている時点で、世の中がどんな下らないことで決まるかをこの人事担当者は心ならずも正直に告白している。本人にはそんな自覚ないのだろうけれど。正にこのようなことを「不毛だとか茶番だと思っている人」がまともなのだ。

面接で聞かれることを想定しないことがそれほど駄目なのか。逆に準備して想定できるのなら、人事担当者の質問自体がマニュアル化されていることを自ら認めているということだ。お役所が無駄に働いて作成する「想定問答集」を要領よく書ける人が「優秀」らしいのだ。逆に言えば、想定外のことはお手上げなのだ。

東大生=優秀な学生ではないけれど、おおむね優秀な学生が就職面接で挫折するのは「なんで今更こんな下らないレベルで自分の価値が評定されなければいけないのか」という空虚感だろう。彼らは別に傲慢でも何でもない。「なんで今更こんな子供騙しみたいなことに付き合わされるの?」ということだ。その典型的な下らなさは以下のようなものだ。

「今、 日本にボールペンは何本ありますか」

この手の話、どっかで読んだ覚えがある。数年前にその手の本が売れて、一時マスコミでも取り上げられたことがあると思う。言わば面接する方もそうしたネタを猿真似してマニュアル化し、それが最先端の能力判定法と本気で信じているらしい。

だから、

ここで確認するのは、どれだけ正確な本数を計算できるかではなくて、回答に行きつくまでの思考方法を確認します。

この回答例としては「ボールペンは学校とオフィスで主に使われている。まず学校には教室が15ほどあり、1クラスは30人前後。1人につき5本ボールペンをもっているとすると?」という風に想定して単純に計算していくんです。

実はこの質問、既に対策があり、準備している学生はすぐに答えられるんですね。もちろん中には本当に頭の回転が速くてその場でできてしまう人もいますけど、その場でできる人ならそれでもいいし、それができるように準備してくるような人であれば、社会人になっても順応できるだろうと思います。

逆に「なんでそういうことを聞くんですか?」という人は論外です。

と言っている人間が駄目な人間で論外なのだ。こんなとんち教室、テレビのクイズ番組程度の下らない推論をさせてマニュアル通りに思考法を確認している人事担当者こそがほとんど思考停止人間の塊なんだろう。

「なんでそういうことを聞くんですか?」

と逆に質問する人は、まともな人間である。本当に下らないのだから。

この文章を読んで考えられることは、人事担当者は人事担当者レベル以上の人間を欲しがっていないということ。

質問をしてはいけないのだということ。マニュアル自体に疑問を呈することは想定されていないのだ。想定外のことは困るので質問するなということ。←この時点で思考停止。

こんな馬鹿な人事担当者がドヤ顔で威張るのだから書類選考で東大生が落とされるのはむべなるかなだ。会社に就職するには“バカの壁”が立ちはだかっているのだから“バカの壁”についていけないまともな人はここで挫折する。

もっとも人事担当者が威張っていられるのは不況の時だけで、好況になれば掌を返してまた別のマニュアルを蔵から出して来るのだろうけれど。

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さなえさなえ 2010/11/10 13:34 今度は5号館のつぶやきさんがツイッターでこの記事を取り上げていましたよ!

通公認通公認 2010/11/10 17:04 採用側を経験した者ですが、そもそも採用期間なんかの短期間でその人物がわかるわけがない。結局、多すぎる人数を絞りこむための屁理屈をでっち上げるようになるわけで。皆、やってて自信が無いから、自分なりの屁理屈を強弁しちゃうんでしょうね。不毛です。

自分が採用していたときには、むしろ、一生懸命就職活動のやり方を勉強してきた人の方が、その人の本質が隠されてしまっていて判断に困ってしまう。なんとなく優秀そうに見えてしまう。何度騙されたことか・・・。そういう人を判断できるレベルにまで解凍するために、ヘンテコな質問を用意するようになったんだろうけど、既にネタバレしちゃってるし、いちいちそんな質問を創意工夫してられるほど、人事は暇じゃないぞと。

というか、こういう採用担当者の本音座談会って、就職媒体が適当にでっちあげてるんじゃないの?それこそ、知り合いで採用やってそうな連中に声かけて酒飲ませて言いたい放題言わせて。で、学生がどうにも気になって就職媒体を見たくなってしまうような記事にでっちあげて。みたいな。

なお、「人は、自分以下の人しか能力を推し量る事ができない」ってのは真実でありまして。自分以上の嘘つきや、自分以上にルーズな人なんてのも見つける事は難しいものであります。採用で唯一must事項は、嘘つきと怠け者を排除する事なんですが。

satohhidesatohhide 2010/11/10 23:28 >今度は5号館のつぶやきさんがツイッター

と言われても、url分からんし、ツイッターやってないしい。

satohhidesatohhide 2010/11/10 23:30 >いちいちそんな質問を創意工夫してられるほど、人事は暇じゃないぞと。

じゃあ、サイコロでも振りますか。

通公認通公認 2010/11/10 23:46 まあ、事実上サイコロ振ってるのと一緒です。わからんものはわからんので。なんか適当に屁理屈をこねるしかないのです。採用人数は変えられませんし。まあ、この採用担当の選択基準も馬鹿だと思いますし、選択基準を公表する事も阿保としか言いようがありませんが。もし納得しないんだったら、こういう会社には行かなければ宜しいとしか言えません。

現状では、個々の人には悪い点なんか無くても、人数を絞らざるを得ないんですよ。それ以上でも、それ以下でもないのです。景気がよければ逆に、学生に接待まがいの事までするわけで、採用に関する不毛な議論の大半は景気によって生じているとしか言いようがありません。

通 2010/11/11 02:30 創意工夫できないやつのこと、馬鹿っていうんじゃないの

laclefdorlaclefdor 2010/11/11 04:32 ボールペンの例は別に下らなくないと思う。理由は、あのグーグル社でも似たような質問をしているから。対策もあるようなのでネタはとっかえひっかえしないといけないですけどね。

satohhidesatohhide 2010/11/11 07:19 >あのグーグル社でも似たような質問をしているから。

なんでグーグル社がやっていると下らなくなるのよ? 意味不明。

tennteketennteke 2010/11/11 07:20 「嘘を嘘と見抜けない人は」って言葉がありますが、「人事担当者の理屈、どんなに熱心に言われていようがそれらしく聞こえようが」ということですかね。

aa 2010/11/11 07:22 壁があろうがなかろうが、私が就職できなかったことに変わりはない
皆は就職できている
よって私のほうが馬鹿だったと思う方が自然

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