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認知症サポーターに商店主 理容店、銭湯…まず23人 mixi Check

板橋区が登録制度…接し方学び、安心の輪

 認知症のお年寄りが安心して暮らせるまちづくりを目指し、板橋区は商店主らを「認知症サポーター」に登録する制度を始めた。

 患者への接し方などを養成講座で学んでもらい、「高齢者あんしん協力店」としてステッカーをはってもらう。理容店、弁当店、銭湯、居酒屋、接骨院……。9日開かれた第1回講座には様々な業種の23人が参加し、さっそく登録された。

 「優しい対応が基本。驚かせない、急がせない、自尊心を傷つけないの3点が大切です」。区立文化会館(大山東町)で開かれた養成講座で、区医師会「もの忘れ相談医」の山口善弘さん(48)が商店主らに語りかけた。

 意見交換会では、いくら支払うのか分からないためいつも1万円札を出す人や同じ目的で1日に何度も来店する人など、商店主らが日頃接している認知症患者の様子も報告された。

 参加者の1人、弁当店を営む宇田川ひとみさん(56)は、朝昼晩とひじきの煮付けを買ったり、何人分もの弁当を一度に持ち帰ったりするお年寄りに、これまで「気に入ったんですか」などと声をかけるようにしてきた。講座を受け、「時間をかけた対応が大切だと改めて感じた。急いでいるお客さんにも理解してもらえるよう努力したい」と話した。

 ヒゲそりをしていないお年寄りから「カミソリでケガをした」とクレームを受けた経験があるという細山敏夫さん(60)も「優しく接することと自尊心を傷つける対応は紙一重だとわかった。赤ちゃん言葉などは使わず、慎重に対応したい」と語った。

 厚生労働省が提唱した認知症サポーターは、認知症を脳の病気として正しく理解し、患者への接し方などを学んで、本人や家族を助けるボランティアだ。全国の自治体で約171万人(3月末現在)が登録されている。

 板橋区でも2008年以降、民生委員や町内会員を中心に約2000人が登録されているが、高齢者の利用が多いコンビニや薬局、金融機関などから「どんな対応をすればいいのかわからない」といった問い合わせが多いため、養成講座の対象者を商店主らに広げることにした。ステッカーをはってもらうことで、地域の人々や患者の家族らに認知症のお年寄りが安心して利用できる店だと知らせる。

 区おとしより保健福祉センターは「区全域の事業者を対象にした制度は23区で初めて。サポーターの輪を広げていきたい」と話している。(松田晋一郎)

2010年11月10日 読売新聞)

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