12月9日

今日は片岡くんに会いに山陽本線に乗って岩国に行きました。片岡君の住んでいる岩国に遊ぶにいくのです。僕らは岩国の駅前喫茶で待ち合わせをしました。
岩国は皆さんご存知のとおり、米軍の基地があり、北朝鮮の偉大な指導者は僕たちを無視して労働1号を落っことす予定の場所です。大変な街なのです。
僕は結構、国際派なので、小学校の時の周陽の少年野球をやってた時に、ベースの人たちと親善試合をやっていました!!みんなとってもいい人でアメリカのマズいお菓子やジュースを一緒に食べたり、いろんな事をしていました。
ヤンキーゴーホーム!」と片岡君から教えてもらった台詞を試合後に叫んで、黒くて2メートルくらいある人に脳天チョップを食らって失神した事以外はよっても良い思い出ばかりです。毎年5月5日のイベントの日は戦闘機も見れてとっても楽しい街なのです。
僕と片岡君は時間通りに待ち合わせることが出来ました。僕らはつのる話もありました。イジメにあったことなど、、、。でも、僕はそのとき片岡君から衝撃の事実を聞かされたのです。それは、片岡君が苛められた理由です。
片岡くんは中学校時代、お母さんの命令で聖教新聞の池田先生の素晴らしいスピーチや大石寺の法主の悪口の数々をコピーし配布してまわっていたそうなのですが、それが原因だったと言う事です。片岡くんは「あんな馬鹿な事やってて、、苛められても仕方なかった」と言ってました。馬鹿な事?、、、そうなのでしょうか、、、だけど僕もなんとなく解らない気もしませんでした。 ただ、片岡君はそんな母の活動を尻目に、学会の活動はさっぱりやっていないそうです。任用試験も受けていないみたいです。
片岡君のお母さんは、学会を辞めた人を連れ戻す為に、いろいろと苦労をしたそうです、、、、。ご苦労様です。
そうそう、僕の今日の目的はアムウエイの素晴らしさを伝えることだったのです。
僕は片岡くんに言いました。
「あの、片岡くん、いいお金儲けの話があるんじゃけど、、、」
「もしかして、アムウエイ?」
!!
片岡くんも僕の言いたいことを先にしっていたのです。僕のAmway活動はどこまで広まってしまっているんだ?!
「あ、か、片岡くん、、僕がAmwayやっちょるって誰から聞いたん?」
「いや、最近いっぱい勧誘されたけー、またアムウエイかのう、っておもったんちゃ。あとサンフラワーとかエックスワンとかも聞いたことあるんよ」
「………。」
僕は赤面してしまいました。僕はいままでずっと僕の事を誰から盗聴しているのかと思っていたのですが、アムウエイは有名だから簡単に予測がついただけなのでしょう。たしかに核戦争が起きても絶対に潰れない会社と言われているので有名なのは当たり前なのかもしれません。僕の早とちりでした、、、、。
「、、ってことは、アムウエイはやる気ないん?」
「うん、わるいけど、ねずみ講には興味ないんちゃ。僕は、人に強制されたり、マインドコントロールされるのはもう嫌じゃけぇ」
またねずみ講という言葉がありました。僕には難しくて分かりません。でも聞くのも恥ずかしいので、とりあえず何も聞きませんでした。でも片岡くんは何かにマインドコントロールされていたそうなのです。そういえば、何かの雑誌でマインドレイプという言葉が紹介されていました。僕はなぜか興奮してしまいました。
それからは何のけない話をしていたのですが、、片岡君からこういう話が持ち出されたのです。
「春君,僕は岩国のベースで凄い轟音を発てながら、まっすぐ真上に飛んでゆく謎の飛行機を見たんだ!」
「??」
僕は困りました。片岡君は頭がおかしくなったのでしょうか?この世の中に真上に飛んでゆく飛行機なんてある訳無いですよね。ヘリコプターじゃあるまいし。飛行機というものは滑走路を加速して飛んでいくのです。
僕は笑って片岡君を見ました。でも片岡くんは「春君,僕の事をうそつき扱いするのかい」という真剣な眼差しで僕を見つめるのです。僕には嘘は感じられませんでした。なぜなら昔から,片岡君は僕に嘘をついた事はないのです。しかし、片岡くんのいう謎の飛行物体、、気になります。

12月10日

今日は柳井にバイトに行って、帰りに母の病院に見舞いにいきました。「東京ばな菜」と「銀座苺」を手渡しましたが、母の状態はあまりよくないようです。明日は松村先輩が東京から帰ってくるので部屋の掃除をしなくてはいけません。万年床も干す予定です。

12月11日

今日は松村先輩が帰ってきました。沢山のお土産をもってかえってきてくれました。僕は布団を松村先輩のソアラに積み込んで部屋を奇麗にしました。夜叉のメンバーも集まって素晴らしいアムウエイ鍋を使ってモツ鍋です。僕は近くのキャルパークへいってお肉や野菜をかってきました。
夜叉のメンバーはみんな尾道より東に行った事がない人ばかりなので、松村先輩の東京へいった話を聞いて目を輝かしていました。僕は兄の事と陽子さんのことで頭がいっぱいで陽子さんの色気を脱ぎ去るためにベッピンスクールで現実逃避に精を出していたのですが、松村先輩はいろんなところへいってきたので経験も豊富です。松村先輩はAmwayの成功の例として、そろそろダイレクトディストリビューターになる哲さんを例に出してがんばらなあかん!と言ってました。哲さんは、東京の新木場公園というナイスガイが集うハッテンバというところで新たな仲間を確保したそうです。凄い人です。アムウエイの世界は一部にとどまらず、東京にまで進出して行ったのです。尊敬します。でも、哲さんは「痛かった」そうなのですが、何が一体痛かったのか、僕には良くわかりませんが、アムウエイの素晴らしさはまた、広まってゆくのですね!!稲毛の浜も最高だったとの事です。
しかし、そんなざっくばらんなAmwayモツ鍋パーティーも、夜叉のメンバーの信吾さんが崩してしまったのです。
信吾さんは言いました。
「アムウエイっちゅーのは、ノルマとか在っちゃーいけんって聞いたんじゃけど、何で会員になったときに無理矢理商品を買わされたり、月のノルマをつけられんにゃーいけんのん?」
僕もちょっと疑問に思っていた事でした。しかし、任用試験に合格した正義の人「松村先輩」が言った事に間違いなんてあるわけありません。ですから、僕は信吾さんの誤解だと思っていたのですが、松村先輩は(お酒も入っていたのもありましたが)信吾さんの首根っこをつかんで言ったのです!
「おまえ!アムウエイがんばれへんでどないすんねん!!ビジネスにリスクなんて付きモンなんや!そんな事もわかれへんか!!正義やで!正義なき力は只の暴力や!」
たとえアルコールが入っていたとはいえ、あんなに怒った松村先輩は初めて見ました。しかし、理利整然たる正義の松村先輩の言う事は説得力がありますね!
その帰り、信吾さんは「アムウエイをやめたい」と言って、ただ一人帰っていったのです。

12月17日

釜山から金村のおばさんがやってくる予定でしたが、急遽来れなくなりました。でも、金村のおばさんは僕に手紙をくれました。
久留米の叔母さんからの手紙
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拝啓 春君へ


春君寒うなってきたけど,元気にしとるね。

おばちゃんは元気にしとるばい。


御正月には美味しかキムチばおくるけんね。

白菜の季節になったらおおいそがしたい。

国の親戚に本場物の唐辛子ば送ってもらう準備もせんばいけん。


春君も成人たいね。おめでとう。

春君も大きくなったけん,色んな事を冷静に受け止められると思うけんで

春君のお父さんやおばちゃんの家族の事ば,教えるけんね。


学校で習ろうたって思うけど昔,朝鮮半島は日本に併合されとったんたい。

それで,日本に併合された時,日本名を強制されたとばい。

そいで,金村言う名前になったんたい。

元々はキム言う名前やった。

おばちゃんや父さんの家はヤンパン言うて,

代々軍人やら役人やら出しとる豊かな家族やったとばい。

お爺さんには3人の兄弟のおって,弟と妹のおったとたい。

優秀か兄弟で,長男のお爺さんは日本の海軍兵学校に行って

帝国海軍の軍人に,次男のお爺さんの弟は文学者目指して帝大に行ってから

日本の姿に疑問ばもって日本に抵抗する運動ばしよったらしか。

お爺さんは技術将校やったけんで,家族皆で呉におった。

今になっても忘れんばい。


昭和20年の8月の暑か日の事は.......

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???
おばさんは便箋1枚で送ってきてくれたのですが、肝心の本題は入っていませんでした。おばさんは続きの手紙を入れ忘れたのでしょうか。とにかく、すごく残尿感の残る手紙です、、、。この続きを考えると僕は今夜、眠れません。