パスポートの話

最近、兄の事を思い出すと僕の頭では解決出来ない事が多すぎて胃が痛くなります。

久留米の金村の叔母さんがまだ日本に居た頃、兄の事について尋ねた事があります。その時、金村のおばさんは言いました。

「シゲが生まれた所は筑豊って言われとる所たい。父さんはそこの炭坑で臨時雇われの炭坑夫ばしよったと。重雄言う名前は歴史に名前ば残した私達の英雄から「」って言う名前ば貰ったったい。ハル君にも解るやろう?勉強せんかった?」

僕は数学や国語は苦手なのですが歴史には少し自信があります。きっとこの重と言う名前は大熊重信から貰ったものなのでしょう。皆さんもそう思いませんか?

「シゲは未熟児で生まれて胃腸の弱くて、医者に3年生きられるか解らんって言われとった。それが、小学校に入った途端にお爺さんの血かねー。運動も勉強も出来るたくましか子になって、近所の人から天才君呼ばれるどとなった。それが、中学に入ったときに地理の勉強しよってパスポートの話しになって、シゲが言うた事が、他の子達の気に触ったらしゅうていじめられるどとなった。」

地理の時間、それもパスポートの事でいじめられるって何があったのか僕には全然、解りません。どなたか解る人がいたら教えてください。

あの信頼する松村先輩でさえ、

「俺達は学会の素晴らしい教えさえ勉強して、アムエイの素晴らしさを皆に伝える事を考えればええんや。ポジティブやで、ポジティブや!後ろ向きなことに悩んどっても成功なんて出来へんで!」

なんて的をはずした答えをするのです。

今夜も僕は眠れそうにありません。


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