北朝鮮で科学者・軍関係者ら逮捕相次ぐ…韓国紙

　【ソウル＝仲川高志】１０日付の韓国紙、朝鮮日報は、北朝鮮で最近、科学者や軍関係者らが、核関連の極秘資料を外国機関に渡したり、軍と組んで機密情報を売ったりしたとしてスパイ容疑で逮捕される事件が相次いでいると、北朝鮮内部の消息筋の話として伝えた。

　北朝鮮では昨年１１月のデノミネーション（通貨単位の切り下げ）後の経済難に加え、中国当局の取り締まり強化で麻薬や偽造通貨による外貨稼ぎが難しくなっており、軍関係者らが外国に機密情報を売るケースが増えているという。

　朝鮮日報によると、北朝鮮の核・ミサイル研究の中心人物である国家科学院数学研究所のキム・ソイン室長と、父の寧辺(ヨンビョン)核団地研究員、キム・ソンイル博士が逮捕された。

　北朝鮮の対韓国窓口機関である祖国平和統一委員会の副局長もスパイ容疑で収容所送りとなったほか、軍の外貨稼ぎを担当する機関の支社長も自宅から現金１５０万ドル（約１億２０００万円）が見つかったとして逮捕されたという。