民主党幹部は10日午後、中国漁船衝突の映像流出事件をめぐり海上保安官が関与を認めたことについて「鈴木久泰海上保安庁長官の責任は免れない」と述べ、鈴木氏の辞任は不可避との認識を記者団に示した。これに関連し、仙谷由人官房長官も記者会見で「(海上保安庁長官には)強い権限の代わりに重い責任がある」と述べ、責任論に言及した。
政府は、海保を所管する馬淵澄夫国土交通相ら閣僚の辞任は、政権に大きな打撃となるため回避したい考え。仙谷氏は会見で「政治職と執行職トップの責任の在り方は違う」と述べ、閣僚辞任は必要ないとの認識を表明。政府高官も記者団に「現場の事案で閣僚が責任を問われるのはおかしい」と強調した。
仙谷氏は映像流出事件について「大阪地検特捜部の証拠改ざん隠ぺい事件に匹敵する由々しき事案だ」と指摘。民主党幹部は、鈴木氏が10日午前に内部で報告を受けながら昼まで官邸に伝えなかったことについて「あり得ない」と批判した。
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