日本テレビ(東京都港区)は10日、海上保安官が系列の読売テレビの取材に対し、映像を持ち出してネット上に公開したことを認めていたとニュース番組で報道した。保安官は「国民の誰もが見る権利がある。誰もやってくれないなら自分でやるしかないと、誰にも相談せず一人でやった」「私がこういう行為に及ばなければ、闇から闇に葬られて跡形もなくなってしまう」と動機を述べたという。
読売テレビ総合広報部によると、先週末に「sengoku38を名乗る人物がいる」との情報が寄せられ、取材したいと依頼。保安官から「応じる」と連絡があり、記者が神戸市で面会し取材した。
保安官は1日に一部の国会議員だけに7分程度の映像が公開されたことに危機感を募らせ、「このままでは国民がこの映像を見る機会を失う」と決断した理由を話したという。
映像を入手した経緯は詳しくは語らなかったが、「私の想像」と断ったうえで「ほぼすべての海上保安官が見ようと思えば見られる状況にあった。国家機密的扱いはされていなかった」と話したとしている。保安官は「同僚や上司には大変申し訳ない。職を失うことは覚悟している」「倫理に反するものであれば甘んじて罰を受ける」とも述べたという。
投稿名の「sengoku38」については「仙谷(由人)官房長官でもあるし、戦国時代の戦国かもしれない。日本を取り囲む状況は戦国時代さながら、そういう意味にもとれる。自分の胸の中の秘密」と話したという。
毎日新聞 2010年11月10日 21時01分(最終更新 11月10日 23時52分)