横浜市でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前に、全国の農業者ら約3千人が10日午前、東京・日比谷の日比谷野外音楽堂で緊急集会を開催。「農林水産業が崩壊する」などとして、貿易自由化を目指す環太平洋連携協定(TPP)参加への反対を訴えた。
TPP反対を訴え、拳を突き上げる熊本の生産者や農業団体幹部ら=10日午後0時ごろ、東京・日比谷野外音楽堂
全国農業協同組合中央会(JA全中)などでつくる実行委員会の主催。鉢巻きを締め、「日本の食を守ろう」と記した横断幕を掲げた農業関係者らが会場を埋め尽くした。熊本からも約50人が参加した。
政府は9日、「関係国との協議開始」を柱とするTPP交渉の基本方針を閣議決定。打撃を受ける可能性のある国内農業の強化策を来年6月にもまとめ、参加の是非を判断する方針を示している。
JA全中の茂木守会長はあいさつの中で「協議開始の判断は極めて遺憾」と猛反発。宇城市から来たミカン農家の高濱友章さん(47)は「国民の合意のない性急な動きは許せない。安全・安心な食料の安定供給が危うくなる」と話した。
「農林水産業が果たしている地域経済、社会、雇用の安定を確保することが、わが国の強い経済を実現する」などとした大会決議も採択した。(潮崎知博)
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