尖閣諸島沖で起きた中国漁船による衝突事件の映像が流出した問題で、検察当局は、流出した経緯を解明するため、8日から刑事事件として捜査に乗り出す方針で、映像が流された動画投稿サイト側に対し、投稿者に関する記録の提供を要請しました。映像を扱うことができた関係者から事情を聴くなどして本格的な解明を進めるものとみられます。
この問題で、検察当局と海上保安庁は、それぞれ内部調査を進めた結果、流出したのは、石垣海上保安部の職員が事件発生の直後に内部の研修用などのために編集した映像と同じものだと断定しています。検察当局の内部調査では、映像を保管していたコンピューターの記録などを調べた結果、検察から流出した可能性はきわめて低かったとして、8日、調査結果を公表する見通しです。一方、海上保安庁の調査によりますと、事件の発生から映像が国会に提出されることが決まった先月18日までの1か月以上もの間、石垣海上保安部では映像の厳重な管理が行われず、問題の映像が検察庁に提出した以外にも記録用のディスクなどに繰り返しコピーされていたということです。検察当局は、内部調査では、調査の範囲が限定されることから、流出した経緯を解明するため、検察が8日から刑事事件として捜査に乗り出す方針です。那覇地検を管轄する福岡高等検察庁が捜査を指揮することになります。これに先立ち検察当局は、映像が流された動画投稿サイトの「ユーチューブ」を運営するアメリカの大手ネット企業の「グーグル」に対し、投稿した人物に関する記録の提供を要請しました。今後、海上保安部の職員など問題の映像を扱うことができた関係者から、映像の保管状況について事情を聴くなどして解明を進めるものとみられます。