警察ジャーナリスト黒木昭雄氏はなぜ死んだのか
【政治・経済】
2010年11月4日 掲載
周囲に漏らした「誰も相手にしてくれない」
●死の前日までツイッターで警察を追及していたのに…
元警視庁巡査部長で、警察批判を続けてきたジャーナリストの黒木昭雄氏(52)が突然、この世を去った。自宅近くの千葉県市原市の寺の敷地に止めた自家用車の助手席で2日、変死しているのを長男が見つけた。後部座席に練炭の燃えカスがあり、自宅から大量の睡眠薬を持ち出したとの情報もある。車を止めた寺には、父親の眠る墓があった。
千葉県警市原署は、自殺の可能性が高いとみているが、黒木氏と親交のあったマスコミ関係者は「常に前向きで思い詰めるタイプではない。まさか、自殺するとは」と皆、驚きを隠さない。
この数年、黒木氏が「ライフワーク」として取り組んでいたのは、08年7月に岩手県であった17歳少女殺人事件の取材だった。指名手配された小原勝幸容疑者(30)が行方不明となっているこの事件について、「真犯人は別にいる」と指摘。岩手県警や警察庁の不手際を厳しく批判し続けてきた。
「2年前に、この事件のリポートを週刊朝日で発表した直後から、正体不明の嫌がらせが繰り返されたのです。今年9月には黒木氏のブログから、この事件にまつわる記載が、何者かの手でゴッソリ削除されてしまった。そんな嫌がらせにもめげず、取材を続けてきたのに……」(黒木事務所の女性アシスタント)
身銭を切りながらの取材活動は金銭的にも負担だった。それでも「たとえカネにならなくても、警察の不正を追及するのが自分の役目」とハラをくくり、ブログやツイッターでリポートを続けた。しかし、事件の風化と共に「ライフワーク」の成果を発表するメディアは限られていった。
「どこも相手にしてくれない。誰も耳を傾けてくれない」――死の直前には周囲に、こんな弱音を漏らしたという。
黒木氏は死の前日(1日)にツイッターで、警察庁が手配中の小原の懸賞金を300万円に増額したことに触れ、「警察庁が隠したかったのはこの事実です。税金が警察の犯罪隠しに使われています」と書き込んでいた。死の間際まで警察追及の手を緩めなかった黒木氏だが、人知れず大きなジレンマを抱えていたのか。
元警視庁巡査部長で、警察批判を続けてきたジャーナリストの黒木昭雄氏(52)が突然、この世を去った。自宅近くの千葉県市原市の寺の敷地に止めた自家用車の助手席で2日、変死しているのを長男が見つけた。後部座席に練炭の燃えカスがあり、自宅から大量の睡眠薬を持ち出したとの情報もある。車を止めた寺には、父親の眠る墓があった。
千葉県警市原署は、自殺の可能性が高いとみているが、黒木氏と親交のあったマスコミ関係者は「常に前向きで思い詰めるタイプではない。まさか、自殺するとは」と皆、驚きを隠さない。
この数年、黒木氏が「ライフワーク」として取り組んでいたのは、08年7月に岩手県であった17歳少女殺人事件の取材だった。指名手配された小原勝幸容疑者(30)が行方不明となっているこの事件について、「真犯人は別にいる」と指摘。岩手県警や警察庁の不手際を厳しく批判し続けてきた。
「2年前に、この事件のリポートを週刊朝日で発表した直後から、正体不明の嫌がらせが繰り返されたのです。今年9月には黒木氏のブログから、この事件にまつわる記載が、何者かの手でゴッソリ削除されてしまった。そんな嫌がらせにもめげず、取材を続けてきたのに……」(黒木事務所の女性アシスタント)
身銭を切りながらの取材活動は金銭的にも負担だった。それでも「たとえカネにならなくても、警察の不正を追及するのが自分の役目」とハラをくくり、ブログやツイッターでリポートを続けた。しかし、事件の風化と共に「ライフワーク」の成果を発表するメディアは限られていった。
「どこも相手にしてくれない。誰も耳を傾けてくれない」――死の直前には周囲に、こんな弱音を漏らしたという。
黒木氏は死の前日(1日)にツイッターで、警察庁が手配中の小原の懸賞金を300万円に増額したことに触れ、「警察庁が隠したかったのはこの事実です。税金が警察の犯罪隠しに使われています」と書き込んでいた。死の間際まで警察追及の手を緩めなかった黒木氏だが、人知れず大きなジレンマを抱えていたのか。