2010年11月8日 21時6分 更新:11月9日 1時31分
大手ビジネスホテルチェーン「東横イン」(東京都大田区)の愛知県内のホテルで働く20代前半の女性フロント従業員が、男性客に客室に呼びつけられ、わいせつな行為を受けていたことが分かった。女性は会社が防犯ベルの貸与などの対策を怠っているのは安全配慮義務違反に当たると主張。労働組合に加入し、再発防止に向け団体交渉を求めた。
女性が加入した全国一般東京東部労組(須田光照書記長)によると、女性は9月14日午前4時ごろ、男性客から派遣型風俗店とのトラブルを巡って「謝りに来い」と客室に呼ばれた。性交渉を迫られ拒否したが、衣類のボタンを外され、下半身を触られたという。
同社のフロント従業員はほとんどが女性で、深夜は一人勤務。女性の深夜業務については、厚生労働省指針で▽一人勤務を避けるよう努める▽防犯ベルの貸与などの対策を取る--などが定められているが、会社側に配慮はなく、緊急時の対応方法も指導されていなかったという。
8日に会見した女性は「第二、第三の被害を防ぐため、声を上げることにした」と話し、会社側に謝罪・損害賠償や再発防止策に関する団体交渉を申し入れたことを明らかにした。女性は暴行容疑で愛知県警に被害届を出している。【市川明代】