政府は、今週末に来日する中国の胡錦涛国家主席と菅総理大臣との日中首脳会談を行いたい考えですが、中国側からはいまだに明確な返答はなく、首脳会談の日程が確定するとしてもギリギリになるのではないかという見方も出ています。
中国の胡錦涛国家主席は、横浜で開かれるAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席するため、今月12日から3日間の日程で日本を訪れる予定です。これに関連して、仙谷官房長官は記者会見で、菅総理大臣と胡錦涛国家主席が会談する可能性について、「相当程度高いと思う」と述べ、会談の実現に期待を示しました。政府は先月29日、ベトナムで菅総理大臣と温家宝首相との会談が中国側から突然中止された経緯があるだけに日中関係の改善に向けた流れを確かなものにするため、今回、胡錦涛国家主席の来日に合わせ、日中首脳会談が実現することを重視しています。そして中国側に日程を打診していますが、中国側からはいまだに明確な返答はきていません。中国側は、中国漁船による衝突事件のビデオ映像の流出を受けた日本の国会審議の状況や中国国内で根強い反日世論への影響を見極めようとしているものとみられ、政府内では日中首脳会談が確定するにしてもAPEC首脳会議の直前や期間中など、ギリギリになるのではないかという見方も出ています。