民主党政権は、日本国憲法の第11条「基本的人権の享有」及び第14条「法の下の平等」で規定されている崇高な理念に則り、不当な差別や虐待、偏見等による人権侵害を救済するための「人権侵害救済機関設置法案(旧人権擁護法案)」の国会上程・早期成立を目指しています。

 

 日本のみならず世界から人種・民族・性別等への人権侵害を撲滅することは非常に重要です。しかし、人権侵害に明確な定義がなく、その内容等をきちんと把握・検証することは難しいため、些細に思われることであっても内閣府の外局として設置される独立行政委員会「人権侵害救済機関(人権委員会)」が認めれば差別と判定されます。実際の啓発活動や情報収集、調査等は、各市区町村の「人権擁護委員」が行いますが、人権擁護委員の選任基準が曖昧であり、在日外国人を含め国籍条項を問わず2万人が任命される見通しです。

 

 人権擁護委員には、「内閣府お墨付き」という国家的強制力があることから、人権侵害と判断すればネット上の掲示板・ブログ(簡易型日記サイト)等に書き込んだ人の特定や立ち入り検査、管理者など関係者の出頭取り調べ、証拠品としてパソコン等の提出を求める権限が与えられています。また、人権擁護委員の求めに対して加害者側が拒み非協力的な場合、令状なしに刑罰(30万円以下の過料等)を科す権限も与えられていますので、人権擁護委員の主観や拡大解釈、恣意的裁量が冤罪に繋がる可能性も危惧されます。さらに、差別主義者のレッテルを貼るために氏名等を公表し、提示板・ブログ等の削除など人権侵害行為への停止勧告、被害予防措置(事前検閲)でネット言論が規制され、自由な表現活動を脅かして最終的に思想弾圧に繋がる恐れもあります。しかも報道機関による人権侵害行為については、特段の規定を設けないとしているため、マスコミに対する言論規制が除外されている現状では、テレビ等で広く世論を喚起してクローズアップする(大きく取り上げる)までに至っていません。

 

 公権力(政府・役所等)による人権侵害を救済する旨を謳って1993年の国連総会で決議された『国内人権機関の地位に関する原則(パリ原則)』と合致しない人権侵害救済機関設置法案は、「人権侵害救済」という美名のもと私人である一般の日本人を国家統制し得る“平成版治安維持法”と呼べ、日本国憲法の第33条「逮捕の要件」及び第35条「住居の不可侵」に抵触しています。正当な批判が差別と取られ、冤罪でも名誉回復がなく、逆差別が生じかねない天下の悪法であると考えます。

 

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『衆ノ雑感』山田衆三のブログ

「朝鮮学校の高校授業料無償化」http://yamada-shuzo.dreamlog.jp/archives/51963159.html

「永住外国人の地方参政権」http://yamada-shuzo.dreamlog.jp/archives/51932524.html