防衛省は9日、日本最西端にある与那国島(沖縄県)に予定している陸上自衛隊の配備について、約100人規模の「沿岸監視隊」を新設する方針を固めた。尖閣諸島沖など、東シナ海で海洋活動を活発化させている中国艦船の動向を、レーダーで監視するのが最大の目的。将来的には、石垣島や宮古島での陸自部隊の配置も視野に入れている。
陸自部隊は沖縄本島以西には配置されておらず、空自のレーダーサイトがある宮古島以西は「防衛上の一種の空白地域」(10年版防衛白書)となっている。中国艦隊が沖縄本島と宮古島間の公海を南下する事案が今年に入って相次いでおり、9月には尖閣諸島沖で中国漁船衝突事件も起きた。
防衛省は与那国島内に陸自の分屯地を建設する方針。与那国島は台湾まで約110キロ、中国本土まで約350キロの距離にある「国境の島」。【坂口裕彦、樋岡徹也】
毎日新聞 2010年11月10日 2時32分