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24時間往診ネットワーク…東大と柏市がモデル作り
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都市部高齢化に対応
「最期まで自宅で暮らせる町」を実現しようと、東京大学は、千葉県柏市などと共同で、在宅医療システム構築のためのモデル事業を来年度から同市で始める。
開業医向けの研修プログラムの開発や、医師同士の連携体制づくり、在宅療養を希望する人に医師や訪問看護事業者らを紹介する窓口の設置などが柱。都市部の高齢化に伴い、在宅医療ニーズが急速に高まるのに備え、各地で応用できるモデルを4年以内につくり、全国での普及を目指す。
東大が千葉大と開発中の研修プログラムは、介護保険など関連制度や、訪問看護・介護職員らとの連携について学ぶのが特徴。在宅医療を実際に行っている開業医の訪問診療に同行し、機器の取り扱いや患者の状態の見極め方なども実習する。研修は月4回、4か月間を想定している。
研修を終えた医師は、外来に加え往診も行うことになるが、1人で365日24時間対応するのは難しい。このため、同市医師会が主導して開業医のネットワークの構築や、開業医をバックアップする体制を作り、患者情報の共有も進める。
在宅医療システムの拠点となるのは、「
東大が在宅医療システム構築に乗り出す背景には、約20年後、年間160万人が死亡する「多死時代」に、大都市圏では医療需要が急増し、病院だけでは対応しきれないとの危機感がある。現在、開業医の多くは外来主体で、往診や在宅での
東大高齢社会総合研究機構の西永正典特任准教授は「必要な医療を受けられずに亡くなる事態を防ぎ、住み慣れた地域で暮らしたいとの高齢者の願いをかなえるためにも、早急な体制づくりが必要」と話している。
都市部の高齢化 地方で顕著だった高齢化が、今後は大都市部で急速に進む。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、65歳以上の比率は、東京都で2005年の18.5%が35年には30.7%、大阪府で18.7%が33.3%、福岡県では19.9%が32.6%となる。75歳頃から病気にかかる率や入院率が上昇するため、医療需要も激増する。
(2010年11月9日 読売新聞)
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