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再仕分け:対象は112事業 15日から第3弾後半

 政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は9日、首相官邸で会合を開き、15日からの事業仕分け第3弾後半日程で実施する「再仕分け」の対象事業を正式に決めた。対象となるのは112事業。これまでの仕分けや各省の「行政事業レビュー」(省内仕分け)で「廃止」「見直し」などの判定を受けたにもかかわらず、各省庁が11年度予算の概算要求で名前を変えるなどして予算要求して「復活」を図るなど、仕分けの判定が反映されていないものが取り上げられた。一方、仕分け対象にはしないものの「判定の反映が不十分で仕分けの意義を損なう」として「改善通告」を行う約90事業も決めた。【青木純、桐山友一】

 「再仕分けは各省庁の意識を『要求官庁』から『査定官庁』に変えさせていく重要なステップだ」。菅首相は会議の冒頭で、再仕分けの意義を強調した。

 今回再仕分けの対象となった112事業を分析すると、次の三つのパターンが目立つ。「看板付け替え型」「焼け太り型」そして「対応保留型」だ。

 まず、事業の名称を変更して同種の事業の継続を目指す「看板付け替え型」。例えば、情報通信技術を使った民間企業のビジネスモデルづくりを支援する総務省の「ユビキタス特区事業の推進」だ。6月の省内仕分けで「廃止を前提とした全面的見直し」と判定されたが、11年度予算への要求には、モデルづくりの拠点を海外に移しただけの「アジアユビキタスシティ構想の推進」(10億円)が盛り込まれていた。

 「焼け太り型」の例は、環境省の「みんなエコクラブ推進事業」。効率化など「抜本的な改善」と判定された環境教育関連の2事業を統合し、新たな事業として概算要求に盛り込まれた。要求額は前年度の2事業の合計額より1700万円も多い1億5000万円に上っていた。

 5月の仕分けで「過大な財産の国庫返納」を求められた財務省所管の財団法人「塩事業センター」は、まだ財産の返納時期を示していない。「対応保留型」の例と言える。

 もっとも「再仕分け」される側にも、言い分はあるようだ。例えば、競輪事業を所管する経済産業省。競輪事業の収益の一部を機械工業の振興費などに還元する財団法人「JKA」の補助事業は、仕分け第2弾で「廃止」と判定され、同省とJKAは抜本的な見直しに着手した。「天下り法人に固定的に配分されている」などの批判を受け、今月4日に補助方針を改定したが、再仕分けでは競馬、競艇も合わせた「公営ギャンブル」が俎上(そじょう)に。省内からは「改めたのになぜ」との戸惑いも漏れる。

 この日の会議では、再仕分けの対象にしないが各省庁に改善を求める「通告」事業も決めた。外務省の「日本国際問題研究所補助金」は、昨年11月の仕分けで「廃止」と判定されたにもかかわらず、別名・同趣旨の補助金を新設。

 文部科学省の舞台芸術を支援する事業に至っては、仕分けで「圧倒的な予算要求の縮減」を求められながら、11年度予算要求では増額されていた。典型的な「焼け太り」。要は「再仕分け以前の問題」で「即見直し」が求められた事例と言えそうだ。

 ただ、自民党政権が作った予算の無駄を対象としたこれまでの仕分けと異なり、再仕分けは民主党政権の政務三役が予算要求を認めた事業が対象だ。自らが認めた事業の無駄に、どこまで切り込めるか。無駄遣い根絶に向けた菅政権の「本気度」が問われる。

 第3弾後半戦では、経済評論家の勝間和代氏ら25人の「民間仕分け人」も仕分けにあたる。15~18日の4日間、東京・西五反田のTOCビル(東京卸売りセンター)で行われる。

毎日新聞 2010年11月9日 21時58分(最終更新 11月10日 0時12分)

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