ここから本文です
最終更新:2010年11月9日(火) 11時51分

TPP、判断は来年6月に先送り

動画を他のプレイヤーで見る


 政府は9日朝、TPP=環太平洋パートナーシップ協定について、「関係国との協議を開始する」と明記した経済連携に関する基本方針を閣議決定しました。ただ、TPPに参加するかどうか判断は来年6月まで先送りする見通しです。

 菅総理は、9日朝の閣議で「平成の開国は国民生活と元気な日本の復活につながり、必ずプラスになる」と、貿易自由化に前向きに取り組む姿勢を強調しました。

 基本方針では『世界の潮流から見て遜色ない高いレベルの経済連携を進める』とする一方で、農業が壊滅的な打撃を受けると与党内からも反対が根強いTPPについては、『情報収集を進めながら対応していく必要があり、関係国との協議を開始する』という表現にとどめています。

 仙谷官房長官は、政府として農業構造改革の基本方針を来年6月にまとめることから、TPPに参加するかどうかの判断も来年6月の前後に行うという見通しを示しました。

 「いろいろな党内の論議があり、いろいろな閣僚間の話があり、それに基づいて決まったものだから、いい形で結論が出た」(大畠章宏 経産相)

 「これからの第1次産業をどうしていくのか、日本の国のあり方をどうしていくのか、そういうことを総括的に議論がなされていくことが大事なことではないか」(鹿野道彦 農水相)

 菅総理は、13日から始まるAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議で、この方針を説明しますが、参加するかどうか曖昧なまま各国からの理解が得られるかは不透明です。

 9日午後からは事務レベルの協議が始まる予定ですが、関係省庁の担当者らの間では「参加するかしないのか、政治が決めないままでは発言のしようがない」と困惑も広がっています。(09日11:03)

2010年11月10日(水)のニュース一覧

社会

政治