蒲島郁夫知事は8日、自ら反対を表明した国の川辺川ダム(相良村)問題に関し、熊本大生のインタビューに応じた。馬淵澄夫国土交通相が八ツ場ダム(群馬県)中止方針を棚上げしたことには「国は準備不足だった」と指摘。一方川辺川ダムについては「国交省幹部も『ダムなし治水』を求めることを明確にしている。自民党政権が復活しても、この件は決着している」と述べ、ダムに後戻りすることはないとの認識を示した。
同大法学部の伊藤洋典教授(政治思想)のゼミで学ぶ3、4年生22人が県庁を訪れ、研究の一環でインタビューした。
知事は八ツ場ダムについて「多くの都県が関係していて(国交相が)上から言って解決する問題ではない」と、熊本との違いを説明。川辺川ダムに関しては「民主党政権は、本気で中止表明したのであれば、その覚悟を示してほしい」と、ダム以外の治水対策の早期実現を求めた。
学生からは「地元ではダム建設が中止されたと思っていない人もいるようだ。県と住民間にギャップがあるのでは」との質問もあり、知事は「ダムができなくて良かったと思える政策をやらないといけない」と答えた。
=2010/11/09付 西日本新聞朝刊=