中国から修学旅行来て 県教委が冊子作成、定期便利用も 2010/11/8 10:41
徳島県教委が、中国から県内を訪れる小中高校生の教育旅行(日本の修学旅行)の誘致に力を入れている。中国の教育旅行は同年代との交流が必須となっていて、県内の児童生徒の国際交流に生かせる点に着目。旅行メニューなどを紹介する中国語のパンフレットを作ったほか、徳島阿波おどり空港への定期チャーター便が就航する湖南省の子どもたちを対象とした旅行も計画している。
県内への教育旅行の受け入れは、7月に天津市の小学生32人が鳴門市の林崎小児童と交流した1回のみ。中国人観光客誘致を目指す県の「中国人誘客『千客万来』プロジェクト」の一環で、鳴門公園の渦の道の見学と林崎小での交流という日帰りメニューだった。
双方の児童が楽しんで交流する姿に「国際理解教育につながる」と手応えを感じた県教委は、誘致を本格的に検討。8月に市町村教委を通じて学校間交流の希望を調べ、交流に加える自然体験・環境学習、歴史・文化学習、防災学習などのメニューを考えた。
教育旅行は東京-大阪間で京都や名古屋、富士山を訪れるのが主流で、ゴールデンルートと呼ばれている。県教委は「徳島はゴールデンルートの新たな西玄関」として売り込み、旅行の前半か後半に県内滞在を組み入れてもらう構えだ。
5千部作った中国語パンフレットでは1泊2日のモデルコースを紹介。1日目に鳴門市入りし、渦潮や大塚国際美術館などを見学して県内に宿泊。2日目に学校間交流と、吉野川の水質調査などの環境学習、県立防災センターでの防災学習、藍染など伝統産業学習を組み合わせることを提案している。
パンフレットは、1日に開所した県上海事務所などを通じ、中国の教育関係者や旅行会社に配ったり現地での商談会で利用したりする。日本語版も千部用意しており、国内でのPRに使う。
県教委は「県内の子どもたちが中国の子どもたちと直接交流することの教育効果は大きい」と強調。来年4月から湖南省の省都・長沙市と徳島間で10日に1回程度、チャーター便が運航予定で、湖南省にターゲットを絞った誘致も進めている。