体当たり被害の巡視船、復帰の矢先に疑惑の渦中 尖閣ビデオ流出
産経新聞 11月9日(火)12時51分配信
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業務を終え、石垣港に停泊する巡視船「みずき」。右舷に負った傷はない=8日午後、沖縄県石垣市(渡部圭介撮影)(写真:産経新聞) |
みずきは右舷後部が数メートルにわたってへこみ、沖縄本島の造船工場に緊急の修理に出された。そのみずきが島に戻ってきたのは10月末。今は通常業務に復帰している。
警備上の理由から修理期間は明らかにされていなかったが、地元漁師の男性(61)はみずきが姿を一時消したことに気付いていた。「海保の中でも最も足が速い船だから、いなくなって心配していた。復帰は私たち漁師にとっても本当に心強い」
別の漁師の男性(49)は流出映像を見て、みずきの力強さを痛感した。「船乗りならすぐに分かるが、中国漁船はみずきを沈没させかねない危険極まりない当たり方をしてきた。みずきは海上保安官たちと“体”をはって、私たち漁師を守ってくれたんだ」
石垣海保の職員は「船乗りにとって、自分の船が傷つけられるのは自分が傷つけられたように心が痛むものだ」と話す。みずきが修理を受けている間、乗組員たちはその作業を手伝ったり復帰後すぐに出航できるよう船内機材のチェックなどにあたってきた。
だが、世論の批判が事件に対する政府対応に向けられた中でビデオ流出問題が起き、捜査は今、石垣海保に向けられている。
勤務を終え石垣港に戻っていたみずきに、傷の痕跡はなく、海上保安官らの職務は通常通り行われている。「職員たちの気持ちに変化はない」。石垣海保の幹部は自分に言い聞かせるように話した。
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最終更新:11月9日(火)12時51分
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