ユーロ下落、欧州債務問題への懸念が圧迫=NY市場

2010年 11月 9日 07:17 JST
 

 [ニューヨーク 8日 ロイター] 8日のニューヨーク外国為替市場では、前週末に続き2営業日連続でユーロが対ドルで下落。アイルランドの財政問題やユーロ圏の債務問題で投資家が安全志向となり、ドルが買われた。

 前週末は予想より強い米雇用統計を受けて下落したユーロだが、この日は欧州のソブリン債務問題への懸念に圧迫された。

 ユーロ/ドルは0.7%安の1.3935ドル。トレーダーは月初来の安値である1.3860ドル付近の支持線を下抜けると目先、1.37ドルを目指す展開になる可能性を指摘した。ユーロは対円でも0.8%下落し113.13円。

 スコシア・キャピタル(トロント)のストラテジスト、カミラ・サットン氏は「ユーロ圏のソブリン債務問題をめぐる懸念が強まっている」と述べた。その上で「とはいえ、ユーロの軟調は一時的な動きとみており、再びドル安の展開に戻るだろう」との見方を示し、米連邦準備理事会(FRB)の追加量的緩和策が今年いっぱい、さらに来年にかけてドルの押し下げ圧力になる、と指摘した。

 市場が現在注目しているのは、アイルランドの債務問題。アイルランド政府は2011年初めまでの資金需要は手当てしているものの、同国紙は政府が来年歳出カットを達成できるかどうか疑問視する内容の報道をし、将来のアイルランド債に対する需要が危ぶまれている。

 アイルランド政府債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドは8日、拡大した。

 ユーロは9月の独鉱工業生産指数が予想外の低下となったことにも圧迫された。市場が総じてリスク回避ムードとなり、豪ドルとニュージーランドドルも対ドルで売られた。豪ドルは0.3%安の1.0132米ドル、ニュージーランドドルは1%安の0.7886米ドル。

 ドル/円はほぼ変わらずの81.18円。   続く...

 
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