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太陽活動停滞で0.7度寒く 13年以降にミニ氷河期?

2010年11月9日5時1分

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写真:宇宙線の解析に使われた奈良県の室生寺の杉。樹齢392年だったが、1998年の台風で倒れた=東京大宇宙線研究所提供宇宙線の解析に使われた奈良県の室生寺の杉。樹齢392年だったが、1998年の台風で倒れた=東京大宇宙線研究所提供

 太陽活動が停滞すると、北半球の平均気温が0.7度ほど下がることが東京大などの研究からわかった。地球に降り注ぐ宇宙線を遮る太陽の磁場活動が弱まるためだという。日本では梅雨の湿度が1〜2割高まり、降水量が増えることもわかった。宇宙線の変化による地球の気候への影響が初めて確かめられた。今週の米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。

 太陽活動は2013年をピークに数十年の停滞期を迎えることが予想されており、地球がミニ氷河期に入る可能性もあるという。

 東京大大気海洋研究所と同大宇宙線研究所などが、奈良県の室生寺にあり、台風で倒れた樹齢392年の杉の年輪を解析。17〜18世紀に太陽の活動が極めて弱まった時期の炭素の量などから、当時の宇宙線の量を調べた。

 この時期は平均して宇宙線の量が1〜2割増え、北半球の気温は0.5度下がっていた。太陽活動が特に弱かった年は宇宙線が3〜5割増え気温は0.7度下がっていた。宇宙線が地球の大気と反応して雲が生じやすくなったり、オゾンができたりするためと考えられるという。

 東大宇宙線研の宮原ひろ子特任助教は「解析を進め、気候予測に役立てたい」と語った。(東山正宜)

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