2010年11月5日(金)「しんぶん赤旗」

ニュージーランド政府

米と新「戦略関係」宣言

市民批判に首相 “非核は継続”


 【ハノイ=面川誠】米国とニュージーランドは4日、「新たな戦略的パートナーシップの枠組みを確立する」とした「ウェリントン宣言」を発表しました。政治、軍事面で協力を強めるほか、核不拡散での協力促進などをうたっています。ニュージーランド政府は、両国間のあつれきの原因となっていた非核政策を米国が受け入れたと評価しています。


 米国のクリントン国務長官とニュージーランドのマカリー外相が同日、ウェリントンにある国会で宣言に署名しました。

 宣言は、定期的な閣僚会合と政治、軍事面での年次高官協議を強化するとしています。

 マカリー外相はクリントン長官との共同記者会見で、協議のテーマとして「気候変動、核不拡散、軍縮問題」を挙げ、「高官協議はニュージーランド、豪州、米国の3カ国間でも開かれる」と述べました。

 クリントン長官は、「米国は太平洋に関与する国として正当な場を回復するために努力する」と強調。「(両国による)軍事演習(の再開)も協議される」と語りました。現地メディアは、軍事演習を再開するかどうかについての決定は国防相会談に持ち越されると報じています。

 宣言はニュージーランドの非核政策や軍事演習の再開には直接触れていませんが、平和団体は「米国の戦争に全面的に協力する道を開くもの」として宣言を批判しています。

 こうした懸念について、キー首相は1日、現地のテレビ番組で「太平洋安全保障条約(ANZUS)を復活させるつもりはない」と言明。「ウェリントン宣言で非核法制に対する米国の懸念はぬぐい去られる。ニュージーランドは今後も、独自の外交政策を取り続ける」と強調しました。

 クリントン長官は今年5月、米議会は南太平洋非核地帯条約(ラロトンガ条約)を批准すべきだと発言。ニュージーランド政府は「(同長官の発言は)核兵器のない世界をめざすというオバマ政権の公約を改めて表明したもの」と歓迎する声明を発表していました。





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