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リチウムイオン電池:常温で製造可能 世界初 産総研など

 次世代電気自動車の動力源として期待される高性能リチウムイオン電池を常温で作る技術を、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)とトヨタ自動車が共同で開発した。電池の容積あたりの発電量(エネルギー密度)が大幅に向上したため、走行距離を伸ばしたり、電池を小型化することが可能になるという。

 リチウムイオン電池は、液体の電解質と正負の電極からなる。携帯電話やパソコンのバッテリーに広く使われているが、電気自動車への応用では、モーター周辺の温度変化が激しいため、より安定した固体の電解質が求められている。

 今回開発した技術は、リチウム酸化物の粒子を電極に吹き付け、1000分の1ミリ前後の膜を作る方法。従来、薄膜の製造は600度程度の高温で焼き固める方法が一般的だったが、世界で初めて常温で加工することに成功した。

 エネルギー密度は、電気自動車に普及しているニッケル水素電池の十数倍で、小型化しながら一度の充電での走行距離を大幅に伸ばすことが可能だ。また、常温での加工は生産工程を短縮できるという。

 産総研の明渡(あけど)純・先進製造プロセス研究部門上席研究員は「シンプルな構造でコストが安い。数年先には電気自動車用の試作レベルの電池を実現したい」と話す。成果は大阪市で開かれる国際セラミックス会議で16日発表する。【安味伸一】

毎日新聞 2010年11月8日 19時20分(最終更新 11月8日 21時19分)

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