2010年9月14日 21時59分 更新:9月14日 23時7分
民主党代表選の結果は、菅首相が国会議員票では小沢氏にわずか6人差だったが、党員・サポーター票で8割超を獲得し、世論の強い後押しが圧勝の起爆剤となった。
首相陣営は、首相と前原誠司国土交通相、野田佳彦財務相のグループが中核で、合算すると約110人。小沢氏は党内最大の小沢グループ約150人に加え、鳩山由紀夫前首相も支援し、基礎数では首相が劣勢だった。
毎日新聞の直前調査でも、国会議員411人の投票先は首相約195、小沢氏約200、未定20弱と小沢氏リード。結果的には態度未定の相当数が首相に流れたことになる。
首相支持の江田五月前参院議長は「国民の声だ」と語り、「政治とカネ」の問題を抱える小沢氏に批判的な世論が追い風になったと分析。選挙基盤の弱い新人議員142人も半数近くが首相に投票したとみられる。
党員・サポーター投票では、首相、小沢氏とも「6対4」程度の差と見込んでいたが、フタを開けると「249対51」の大差。小沢氏陣営からは落胆の声が漏れた。
背景には、労組や業界団体をフル稼働させる小沢流の組織集票作戦が不発に終わったことがある。首相は41都道府県で小沢氏を上回り、10府県では7割以上を獲得。小沢氏優位は地元・岩手など6県にとどまった。
ただ、全国での得票数は首相13万7998票、小沢氏9万194票で、得票率では地方議員票とほぼ同じ「6対4」。衆院小選挙区ごとに1票でも多い方が1ポイントを得る「総取り」方式だったことが、首相に有利に働いた。【竹島一登】