2010年9月14日 21時18分
民主党代表選は14日、大差で決着がついた。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題を抱える沖縄では、同県名護市辺野古への移設を決めた日米合意を踏襲する菅直人首相の続投に、落胆の声が一斉に広がった。
名護市では12日の市議選で移設反対を掲げる稲嶺進市長の市長派が圧勝したばかりで、代表選でも普天間問題で沖縄と話し合う姿勢をみせていた小沢一郎前幹事長の勝利を期待する声が強かった。
辺野古で座り込みを続けるヘリ基地反対協の安次富(あしとみ)浩共同代表は「沖縄を理解していない人が首相を継続することになり、悲しい。次の内閣も何の期待もできない」とがっかりした様子で話した。
民主党沖縄県連は、県選出国会議員2人とほとんどの地方議員が小沢氏を支持。幹部らが県連事務所のテレビで開票作業を見守ったが、菅首相の勝利に「なぜだ」というため息交じりの声ももれた。
全国の党員・サポーター投票では、菅氏が300ポイントのうち249ポイントを獲得したが、沖縄では小沢氏に全投票数の約7割が集まった。県連の山内末子副幹事長は「沖縄と本土の世論が全然かけ離れた結果だ」と語り、普天間問題への温度差を残念がった。
一方、仲井真弘多知事は県庁で記者団に対し、普天間問題への影響について「総理が代わらないから(政府方針は)基本的に変わらないだろうが、どういうふうに打ち出すか見守るしかない」と述べるにとどめた。【井本義親、斎藤良太】