2010年9月14日 20時57分 更新:9月14日 21時22分
民主党代表選での菅直人首相の再選に、予算編成を担当する財務省の官僚からは「8月末提出の概算要求に沿った作業を本格化できる」とひとまず安堵(あんど)の声が広がった。
ねじれ国会を乗り切り、消費税増税論議に着手するには「小沢一郎前幹事長の剛腕が必要」と期待の声も根強い財務省。だが、小沢氏は代表選で無駄削減によるマニフェストの実現を主張し、概算要求基準についても「一律1割削減は政治主導でない」と見直しを示唆していた。そのため、「もし小沢政権が誕生したら、マニフェスト完全実施の財源を捻出(ねんしゅつ)しなくてはならなくなるが、その余裕は日本にないはず」(幹部)との警戒感も募らせていた。
菅首相勝利に幹部の一人は「予算編成の枠組みは現状のまま。年末に向けての税制改革の作業も始められる」と意気込みを語る。ただ、別の幹部は「挙党態勢をとる以上、小沢氏の政策もある程度取り入れなければならないだろう。ねじれ国会で、予算関連法案を通せない事態も予想され、まだ安定政権とは言えない」と漏らす。【久田宏】