2010年9月14日 21時21分
兵庫県内の公立学校で起きた体罰などに関する報告書の公開請求で、神戸大大学院の馬場健一教授(47)が教員名などを非公開とした県教委の決定を取り消すよう求めた訴訟の判決が14日、神戸地裁であった。栂村明剛裁判長は「公務員の職務遂行に関する情報で公開されるべきだ」として、決定の取り消しを命じた。
馬場教授は04、05年度の報告書に記された学校や校長、体罰をした教員の名前などの公開を請求したが、県教委は07年1月、これらを黒塗りにして開示。県情報公開審査会は学校名と校長名を公開するよう答申したが、県教委は「プライバシー保護」を理由に改めて非公開とした。
判決は「(報告書は)公務員の職務遂行に関する情報で、私事に関するものはない」と指摘。「知る権利を尊重し、説明する責務を果たすため、明らかにすることが必要」とした。
判決について、馬場教授は「体罰の抑止につながる」、県教委は「内容を十分確認し、適切に対応する」とのコメントを出した。
体罰に関する情報は鳥取県教委が今年、公立学校の情報を全面開示している。【重石岳史】