2010年9月14日 20時26分 更新:9月15日 0時14分
日本ジオパーク委員会(委員長=尾池和夫・元京大学長)は14日、貴重な地形や火山などが観察できる地域を自然公園として、教育や観光、産業に役立てる世界ジオパークネットワーク(GGN)に室戸(高知県)を加盟申請することを決めた。今後、GGN審査員による現地調査などを経て来秋に最終審査がある。もう一つの審査対象だった阿蘇(熊本県)の申請は見送られた。
GGNは、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が支援し、21カ国66地域が加盟する。国内では洞爺湖有珠山(北海道)▽糸魚川(新潟県)▽島原半島(長崎県)が昨年加盟したほか、既に加盟申請している山陰海岸(京都府、兵庫県、鳥取県)は10月に最終審査がある。
室戸は海側のプレート(岩板)が、陸側に沈み込む際にはぎ取られた堆積(たいせき)物を観察できる地質学的に重要な地。委員の中田節也・東京大教授は「質の高いガイドも増えた。行政と住民など現地が一体となってジオパークを推進する動きがある」と評価した。
また、委員会では白滝(北海道)▽伊豆大島(東京都)▽霧島(宮崎・鹿児島県)がGGN加盟の前段階となる日本ジオパークネットワークへの加盟を決めた。これで同ネットの加盟地は14カ所となった。【八田浩輔】