2010年9月14日 23時31分 更新:9月14日 23時48分
14日のニューヨーク外国為替市場は、円相場が一時、1ドル=82円90銭台に急伸した。82円台は95年5月下旬以来15年3カ月ぶりの円高水準。これに先立つ東京市場で、菅直人首相が民主党代表選で再選された直後に円高が進み、海外市場でその流れを引き継いだ。為替介入に関して菅首相は小沢一郎前幹事長より慎重と指摘され、介入への警戒感が薄らいで円が買い進まれた。
円相場は代表選の結果発表直前の14日午後3時半ごろ、83円60銭程度で推移していた。だが、党員・サポーター票の開票で菅首相の優勢が明らかになったとたんに円高が進行。数分程度で50銭以上円高に振れ、再選が決まった直後に83円09銭まで上昇した。東京市場の午後5時時点は前日比71銭円高・ドル安の1ドル=83円21~22銭。
一方、この日の東京債券市場は、財政再建派とみられている菅首相再選への安心感から国債が買われ、長期金利の指標である新発10年物国債の利回りは下落した。午後5時時点は前日比0.04ポイント低い1.105%。【大久保渉、ワシントン斉藤信宏】