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【異論暴論】正論12月号 国民よ覚醒せよ! 核武装以外に独立の方途なし (1/2ページ)
このニュースのトピックス:尖閣諸島問題
核武装以外に独立の方途なし
戦後日本の堕落ぶりをここまで鮮やかに示した事件はほかにないのではないか。言うまでもなく尖閣の一件である。民主党政権が批判の矢面に立たされてはいるが、この政権を選んだのは日本人自身である。そのことを忘れてはならない。評論家の西部邁氏は国民の覚醒(かくせい)を願ってこう記す。
「中国が推し進めつつある尖閣奪取の企ては、戦後日本の自国領土の防衛にかんする一貫した無責任が招き寄せたものである。その無責任を友愛外交なる美辞麗句で覆うような政権を日本国民が歓呼の声で迎えたとなれば、『兵士の乗り込んだ漁船』が尖閣に襲来して当然といわなければならない」
「自国の武力によって守られないような法律は相手の武力によって蚕食されることもありうる」
これが尖閣侵略の本質であろう。そして政府は核武装に成功した中国の恫喝(どうかつ)に怯(おび)え、超法規的に船長を釈放した。日本は独立国としてのプライドと同時に法治国家の原則までも捨てたのである。
もちろん「恐怖ゆえに相手の軍事力の前に屈従するというのも一つの生き方ではある」が、国家として独立の放棄は、間違いなく国民精神の腐敗を招く。ならばどうすればいいのか。西部氏は言う。
「この国民精神の腐敗から逃れるには、好むと好まざるとにかかわらず、自分らの国家を核武装させ、そうすることによって他国への屈従から逃れてみせるしかないのである」
わが国は早急に憲法改正、そして核武装の議論に取りかからなければならない。事態はそこまで切迫している。(桑原聡)