2010年11月8日21時50分
ニューデリーで8日、共同記者会見に臨むオバマ大統領とシン首相=ロイター
そのため、オバマ氏は就任以来、1カ国としては最長となる68時間もの滞在日程を組んでインド重視を強調。インドが「悲願」とする国連安保理入りへの支持や先端技術提供で協調姿勢を示す一方、オバマ氏も軍用機などの輸出契約で約5万4千人分の国内雇用を確保。2年後の大統領選での再選に向けて国内向けの得点をかせぐ「ウィン・ウィン」(米政府高官)の関係をアピールした。
ただ、今回の首脳会談を経て、インドが米国一辺倒に進むとみるのは早計だ。
インドでは年末にかけ大国との首脳外交ラッシュが続く。先月、シン首相が訪日したのに続き、12月にはフランス、ロシアの大統領、さらに中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相がそれぞれ訪印する。今回得た米国との関係緊密化に加え、日仏ロなどとの関係強化をカードとして、未確定の国境線を抱えて不安定な関係が続く中国から、最後に譲歩を引き出す狙いとみられる。