中国:「東シナ海ガス田交渉を延期」 船長拘置に対抗

2010年9月11日 10時52分 更新:9月11日 11時50分

 【北京・浦松丈二】沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近で日本の海上保安庁巡視船と中国漁船が衝突した事件で、中国外務省の姜瑜副報道局長は11日、今月中旬に予定されていた東シナ海ガス田開発に関する日中両政府の条約締結交渉の延期を決めたと発表した。

 延期決定の発表は、日本政府が中国人船長の逮捕、拘置を決定したことを理由としている。この事件で中国政府が具体的な対抗措置を発表したのは初めて。中国国内の反日世論に配慮したとみられるが、党代表選などで揺れる民主党政権の出方を試す戦術的な狙いもありそうだ。

 姜副局長は「釣魚島は昔から中国固有の領土であり、日本側の行動は国際法と国際常識に違反しており、でたらめ、違法、無効だ」と批判。さらに「日本側が暴挙を続ければ、自ら報いを受けることになる」と警告した。

 中国外務省は10日までに日本の丹羽宇一郎駐中国大使を3度、同省に呼び、楊外相自ら強い抗議を伝えていた。

 東シナ海ガス田開発の条約締結交渉は、中国が単独で開発を進める白樺ガス田への日本の出資や、北部海域の共同開発を両政府が話し合う局長級協議。今年5月に訪日した温家宝首相が鳩山由紀夫首相(当時)と開催で合意し、7月下旬に東京で初会合が開かれたばかりだった。

top
文字サイズ変更
この記事を印刷

PR情報

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド