経済対策:雇用や消費刺激に9150億円投入 閣議決定

2010年9月10日 10時5分 更新:9月10日 11時41分

閣議に臨む(左から)菅直人首相、前原誠司国土交通相、自見庄三郎金融・郵政担当相=首相官邸で2010年9月10日、藤井太郎撮影
閣議に臨む(左から)菅直人首相、前原誠司国土交通相、自見庄三郎金融・郵政担当相=首相官邸で2010年9月10日、藤井太郎撮影

 政府は10日、円高やデフレに対応した経済対策を閣議決定した。新卒者の就職支援や家電エコポイント制度の延長など、雇用や消費促進策が柱で10年度予算の予備費から約9150億円を投入する。波及効果などを含めた事業規模は約9.8兆円。20万人の雇用創出と、0.3%程度の実質国内総生産(GDP)押し上げ効果を見込む。

 対策は「雇用」「消費」「国内投資促進」「防災」「規制改革」の5本柱。雇用では、新卒者の就職難に対応するため、卒業後3年以内の既卒者を試験的に雇ったり、正規社員に採用する企業に奨励金を支給する。

 消費刺激策としては「家電エコポイント」を来年3月まで3カ月、「住宅エコポイント」を来年末まで1年間、それぞれ延長する。国内で環境関連事業に設備投資する企業を助成する制度を拡充して国内投資を促すほか、環境や医療分野などで83項目に及ぶ規制見直しも検討・実施する。

 急激な円高に対しては、「為替介入を含め断固たる措置をとる」ことを表明するとともに、日銀に「デフレ脱却に向け、さらなる必要な政策対応をとることを期待する」との表現で追加的な金融緩和を求めた。

 今後の景気動向次第で補正予算による第2弾の対策を検討することや、11年度予算で雇用分野に重点配分し、新成長戦略を本格実施することを明記。菅直人首相は10日朝の閣議前の閣僚委員会で、「スピード感を持って3段構えの対応を進めていく」と語った。さらに、民主党の小沢一郎前幹事長が景気対策の財源に充てると主張している「国庫債務負担行為」(10年度予算で1兆円設定)の活用にも言及。同行為は、予算計上前に公共事業などの発注・契約締結を先行させる仕組みで、国債の追加発行につながる可能性がある。【谷川貴史】

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