米国:コーラン焼却中止発表…やっぱり「再考する」

2010年9月10日 10時14分 更新:9月10日 12時8分

 【ニューヨーク山科武司】今月11日にイスラム教の聖典コーランを焼却するイベントを計画していた米南部フロリダ州の教会は9日午後、イベントの中止を発表した。だが同日夜になって「再考する」と前言を修正した。オバマ米大統領が同日午前、テレビ番組で「焼却は国際テロ組織アルカイダを利するだけ」と批判し、ゲーツ国防長官が電話で教会側に中止を求めていた。

 米CNNなどによると、同州北部ゲーンズビルの教会「ダブ・ワールド・アウトリーチ・センター」のテリー・ジョーンズ牧師は同日午後、記者会見で焼却の中止を発表した。

 さらに牧師は、米同時多発テロ(01年9月11日)で崩壊したニューヨーク・世界貿易センタービル跡地近くに建設予定のイスラム教モスク(礼拝所)を含む施設について「我々(教会とイスラム側)は、移転に同意した。11日に会談する」とも述べた。

 だが建設を進めるイスラム団体の代表、ファイサル・ラウフ師は声明を発表し、焼却中止を歓迎しながらも「彼(牧師)と話したこともなく、驚いている。我々は、宗教をもてあそぶことも取引もしない」と移転合意を否定。これを聞いたジョーンズ牧師は、一転して「焼却中止を再考する」と述べた。とりあえず11日の焼却は延期されそう。

 米国務省は9日午前、在外米国人に反米活動を警戒するよう勧告し、世界中の在外米公館で緊急会議を開いて対応を協議していた。

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