チラシの裏SS投稿掲示板




感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[24077] 【ネタ】ダブル・クロノ(クロノ・トリガー×リリカルなのは)
Name: きゃのん◆bed2e657 ID:3a8518ab
Date: 2010/11/07 02:59
 次元航行艦アースラの訓練室、そこで黒髪の少年と赤髪の少年が激突する。黒髪の少年は黒い杖を振りかざし足元にミッドチルダ式の円形魔法陣を光らせ詠唱、対し赤髪の少年も虹色の刀を構え詠唱。

 両者の声が響き、蒼の光弾と天の魔法がぶつかり合い訓練室に爆発音がした。結界を張ってあったにも関わらず、被害は甚大。二人ともそれに気づき後頭部に冷や汗、彼らの脳裏には緑髪の女性が笑顔ただし目は笑ってないで問い詰めてくる姿が浮かぶ。

「……君の魔法のせいだな、僕らの魔法とは性質が違うらしいから」

 黒髪の少年の言葉に心外だと首を横に振る赤髪の少年、連帯責任と言い返す。それに黒髪の少年は、ため息を吐いて同意した。そんな彼らの元へ癖毛のある茶髪の少女が、バンと扉を開き叫ぶ。

「もう! またクロノ君達ー? 今月に入って五回目だよ、五回目! 訓練室だってタダじゃないんだからね、修理費は自腹で払ってもらうから!!」

 怒れる少女エイミィ・リミエッタの糾弾に、少年二人は揃って反省のポーズ。具体的には頭を下げる姿勢、エイミィは彼らをクロノ君達と言った。それはつまりこの二人の名が、クロノだということ。黒髪の少年がクロノ・ハラオウン、時空管理局の執務官でアースラの切り札。白いバンダナを巻いた赤髪の少年がクロノ、次元漂流者としてアースラに保護されている。

 出会ってからクロノ達は互いに意気投合し、自分達の技量を競い合う様に訓練しているのだがこうしてやり過ぎる時もあるのだった。その場合はエイミィが注意し、時に緑髪の女性でアースラの艦長リンディ・ハラオウンが注意することもある。今回はエイミィだったが、リンディだったら……

 そこまで考えて同じことを思ったのか、クロノ達は顔をサーッと青ざめさせた。どうやら、リンディの注意は相当のものらしい。

 あの笑ってるように見える顔で、砂糖がたっぷり入った緑茶通称リンディ茶を飲むように促してくるのは苦痛と言えるだろう。

 そんな二人を見てエイミィは嘆息しつつも、確かにリンディ茶は私も飲みたくないなーと思うのだった。

 ともあれアースラに所属する二人のクロノは、こう呼ばれている。

―ダブル・クロノ―と。

 訓練室で団欒する三人の元に警報が鳴り響く、それを聞いた彼らはブリッジに駆け出すのだった。
 辿り着いたブリッジではオペレーター達の報告が飛びかう、それにエイミィも加わった。

「遅れてすみません! これより状況把握のため、調査に入ります!」

「お願いねエイミィ。それと……ダブル・クロノがまたやったらしいから、謝る必要はないわ。私がたっぷりとお話しておくから」

 そのリンディの言葉に戦慄するダブル・クロノ、それにエイミィはご愁傷さまと同情し調査に集中する。そして、判明した事実は驚くべきものだった。

「っ! 第97管理外世界に小規模の次元震が発生、この反応は……スクライア一族から報告があったロストロギアです!」

「何ですって! 間に合わなかったの……いえ、最悪の事態は起きてない。まだ間に合うわ、急いで現場へ!」

「了解!」

 エイミィの報告に状況を分析したリンディの命令、それに答えるアースラ各員。その状況の中、クロノはあの緊張感を思い出す。巨大すぎる絶望に仲間達と立ち向かっていた時を。
 クロノ執務官から聞かされたロストロギアの危険性、下手すれば世界が滅ぶ可能性。あの絶望に比べたらと、刀を握り締め武者震いをするのだった。

 クロノが見る夢は、まだ終わらない。世界を越えて、彼の冒険が始まる。



感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.00346112251282