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殺人:弁護士刺され 容疑の男逮捕「借金解決せず恨み」

津谷弁護士の自宅=秋田市泉北3で2010年11月4日、加藤沙波撮影
津谷弁護士の自宅=秋田市泉北3で2010年11月4日、加藤沙波撮影

 4日午前4時5分ごろ、秋田市泉北3の弁護士、津谷裕貴さん(55)の妻(53)から「主人を殺すという男が来ている」と110番があった。駆け付けた捜査員が津谷さん宅寝室で、はさみを手に津谷さんともみ合っていた男を取り押さえ、殺人未遂容疑で現行犯逮捕。津谷さんは腹などを複数刺されており搬送先の病院で死亡、殺人容疑に切り替えて調べる。

 県警秋田中央署によると、男は同市泉中央2、無職、菅原勝男容疑者(66)。「借金の関係で約20年前から付き合いがあった。相談したが何も解決せず恨んでいた」と話しているという。津谷さんの事務所に勤める弟によると津谷さんは、04年に成立した菅原容疑者の離婚調停で、妻側代理人を務めた。菅原容疑者は元妻に「津谷のせいで大損をした」「殺してやる」などと何度も告げ、元妻から注意するよう事務所に連絡があったという。菅原容疑者が事務所に直接来たり電話がかかってくることはなかった。

 調べに対し菅原容疑者は、剪定(せんてい)ばさみのねじを外した片側(刃渡り約20センチ)を持ち「殺そうと思って刃物を持って行ったが、もみ合ううちに刺さった」と供述、玄関脇のガラスを石で割り侵入したと説明しているという。

 津谷さんは83年に弁護士登録。訪問販売規制など消費者問題に熱心で、09年6月から日弁連の消費者問題対策委員長を務めていた。

 現場は、県庁の北約2キロの住宅街に建つ一戸建て平屋。菅原容疑者が「脅すために津谷さん方の物置にカセットボンベを仕掛けた」と話したため、爆発物処理班がボンベや電熱器を回収したが、避難騒ぎなどはなかった。

 弁護士が襲われる事件は今年6月、横浜市でも発生。離婚調停を巡るトラブルで、妻の代理人だった前野義広弁護士(当時42歳)を刺殺したとして、平川隆則被告(41)が殺人容疑で逮捕・起訴された。【小林洋子】

 ◇日弁連が非難声明

 秋田市の弁護士刺殺事件を受け、日本弁護士連合会の宇都宮健児会長は「受任していた離婚事件の相手方が、逆恨みから殺害に及んだ業務妨害行為である疑いが強く、断じて許されない」との声明を発表した。

毎日新聞 2010年11月4日 11時01分(最終更新 11月4日 12時58分)

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