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滋賀・米原の女性殺害:公判、異例の長期1カ月 裁判員、負担重く--あす選任

 ◇被告は全面否認

 滋賀県米原市の雑排水槽で昨年6月、女性会社員が遺体で見つかった事件で、殺人罪に問われた森田繁成被告(41)の裁判員裁判が4日、大津地裁で始まる。森田被告は捜査段階から「身に覚えがない」と全面否認。有力な物証はなく、地裁は裁判員の選任手続きから判決まで約1カ月という異例の長期日程を組んだ。裁判員は重い負担と難しい判断を迫られそうだ。【稲生陽、加藤明子】

 2日に選任手続きがあり、4日の初公判以降、9日間の審理と数日間の評議を経て、12月2日に判決となる。期間中、裁判員が拘束されない平日は数日間にとどまりそうだ。

 最高裁によると、長期日程の裁判員裁判は鹿児島地裁での高齢夫婦強盗殺人事件(2日~12月10日)が約40日間に及び、これまでで最長になる見通し。

 米原市の事件は遺体発見の1週間後、滋賀県警が森田被告を殺人容疑で逮捕。森田被告の乗用車のルームミラーが破損し車内マットやタイヤ内側のブレーキドラムから女性会社員のDNA型と一致する血液が検出された。

 捜査関係者は「現場近くで暴行を受け、逃げまどった際に付着した」とみる。しかし、凶器などは見つからず、弁護人が受任後、森田被告は供述調書の作成に応じていない。

 検察は「証拠は十分。分かりやすい立証を心がけたい」とするが、裁判員は状況証拠だけを基に有罪、無罪の判断をすることになる。

 大津地裁は長期日程を考慮し、従来の裁判員裁判で70~90人に送付していた呼び出し状を「大幅に増やした」という。しかし、陪審員制度に詳しい丸田隆・関西学院大大学院教授は「普通の勤め人が1カ月間も休むのは無理。裁判所や法曹関係者には市民の負担を減らす発想が不十分だ」と指摘している。

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 ◇米原市の雑排水槽殺人事件

 09年6月12日朝、滋賀県米原市伊吹の雑排水槽で、同県長浜市の会社員、小川典子さん(当時28歳)の遺体が見つかった。県警は同19日、交際相手で同じ工場に勤務していた森田繁成被告を殺人容疑で逮捕。大津地検は、小川さんの頭を鈍器で殴り、雑排水槽に落として窒息死させたとして、殺人罪で起訴した。

毎日新聞 2010年11月1日 大阪朝刊

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