2010年11月7日0時58分
【ベルリン=松井健】フランスからドイツへ2年ぶりに輸送される高レベル放射性廃棄物を巡り、ドイツで激しい抗議活動が起きている。廃棄物を積んだ列車は6日にドイツ入り。目的地の中間貯蔵施設のある北部ニーダーザクセン州ゴアレーベン周辺などでは反対派約4万人が集まって阻止を訴え、混乱している。
メルケル政権が9月、国内の原発の運転を平均12年延長する「脱・脱原発」へと政策を転換したことに野党や環境団体が強く反発しており、輸送反対運動に拍車をかけている形だ。
DPA通信によると、妨害活動を排除するために約1万6千人の警官が動員された。廃棄物はドイツの原発から出た使用済み核燃料で、フランスで再処理された。特殊容器に詰め列車で運んだ後、車両に積み替えてゴアレーベンに搬入する。列車は5日にフランスを出発直後、線路に体を縛り付けた独仏の活動家のために約3時間立ち往生した。